
つみたてNISAとiDeCoってどっちをやるべき?
自分の場合はどっちが得?
投資初心者はどっちが始めやすい?
このようにどちらが良いか迷っている人の疑問をハッキリ解決します!
この記事の結論
- 「老後資金のため」という明確な目的があるならiDeCo!
- 老後資金以外の投資目的の人はつみたてNISA!
- とりあえず投資を始めてみたい人もつみたてNISA!
投資に興味を持って調べ始めると、必ず耳にするのがNISAとiDeCoです。
中でも長期的に積立投資が可能な「つみたてNISA」と「iDeCo」についてはどちらが良いか悩む人も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、両者の違いを確認しつつ、どちらが良いかを解説します。
どちらも良い制度ですが、人によって合う合わないがありますのでベストな選択をしましょう!
NISAとiDeCo

まずはNISA(つみたてNISA)とiDeCoについて簡単におさらいしていきます。
NISAとは
NISAとは「投資の利益に税金がかからない制度」のことです。
本来、投資信託や株式投資などで利益を得た場合には、利益の約20%(※厳密には20.315%)を税金として納めなければなりません。
100万円の利益が出ても、20万円が税金になってしまうので大きいですよね?

これが本当痛いんだよね…
NISAを利用して投資をすると、この税金を支払う必要が無いので「使わなきゃ損」という制度になっているわけです。

「NISAを利用する」とは…
NISA口座を開設し、その口座の中で投資を行うこと。
このNISAは大きく2つに分かれており、利用する場合はどちらか一方を選択します。
- 一般NISA
- つみたてNISA
詳しくは後ほど解説しますので、今は2つあるとだけ覚えておきましょう!
iDeCoとは
iDeCoとは「投資の利益に税金がかからない制度」+「所得税・住民税が軽減される制度」です。
NISAよりも節税効果が1つプラスされていますね。
しかし、iDeCoは別名「確定拠出年金」とも言い、老後のための資金なので60歳まで引き出すことができないというデメリットもあります。

この資金拘束はかなりデメリットだね…
企業が退職金の代わりに確定拠出年金制度を導入しているケースもあり、それを企業型DCと言います。
- 個人で加入 → iDeCo
- 企業を通して加入 → 企業型DC
- ※併用可
細かな違いはありますが、似たようなものだと思って大丈夫です。
では、NISAとiDeCoの違いを見ていきましょう!
NISAとiDeCoを項目ごとに比較

一般NISA、つみたてNISA、iDeCoの3つを項目ごとにまとめました。
まずは全体像から見ていきましょう!
一般NISA | つみたてNISA | iDeCo | |
---|---|---|---|
対象者 | 20歳以上 | 20歳以上 | 20歳以上60歳未満 ※改正後:65歳未満 |
口座開設期間 | 2028年まで(2024年から新NISA) | 2042年まで | 60歳まで ※改正後:65歳未満 |
運用方法 | 通常買付 積立投資 | 積立投資 | 積立投資 |
投資上限枠 | 最大120万円 | 最大40万円 | 最大14.4~81.6万円 |
運用期間 | 最長5年 | 最長20年 | 70歳まで 改正後:75歳まで |
節税効果① | 運用益が非課税 | 運用益が非課税 | 運用益が非課税 |
節税効果② | ー | ー | 積立金が全額所得控除 |
運用商品 | 株式 投資信託 ETF REIT | 投資信託 | 投資信託 定期預金 保険 |
受け取り方 | いつでも可 | いつでも可 | 60歳~70歳 ※改正後:60~75歳まで |
損益通算 | 不可 | 不可 | 不可 |
併用 | つみたてNISA不可 iDeCo可 | NISA不可 iDeCo可 | NISA可 つみたてNISA可 |
一般NISAは2024年から「新NISA」と名前が変わる予定です。
内容も少し変わるので、気になる人はこちらの記事も参考にして下さい!


上記の表からポイントを絞って解説するよ!
①運用方法
運用方法は次のようになっています。
- 一般NISA:通常買付、積立投資
- つみたてNISA:積立投資
- iDeCo:積立投資
一般NISAの"通常買付"はタイミングを見計らって、買ったり売ったりする方法です。
投資の中級者、上級者向けと言えますね。
それぞれ可能な"積立投資"は「決まった日に指定した金額分を自動的に買付する」仕組みです。


そんな簡単な方法で本当に増えるのかなぁ?
このように疑問を持つかもしれませんが、優良商品に長期で運用すれば資産はどんどん増えていきます。
仮に人気の投資信託(S&P500)に毎月3万円を20年間、積立投資した場合がこちらです。


積立額は720万円に対し、利益は約1,200万円です。
投資初心者や資産形成に投資を利用するなら積立投資が良いでしょう!
②投資上限枠
それぞれの制度には投資上限枠(非課税枠)が定められています。
- 一般NISA:最大120万円/年
- つみたてNISA:最大40万円/年
- iDeCo:最大14.4〜81.6万円/年
国としても優遇しすぎると回収できる税金が減ってしまうので、上限を設けています。


それ以上投資したいなら税金払ってね!
つみたてNISAの上限額が一般NISAより少ないのは、この後に説明する「非課税期間」が長いためです。
またiDeCoの上限額に幅があるのは、下記の画像のように働き方や企業型DCの加入状況などによって月々の上限額が異なるためです。


③運用期間
運用期間についてもそれぞれ異なります。
- 一般NISA:5年(最大600万円)
- つみたてNISA:20年(最大800万円)
- iDeCo:75歳まで(60歳以降に加入の場合は最低5年〜)
運用期間とは「非課税期間」のことです。
例えば、つみたてNISAは買い始めてから20年以内に売却すれば非課税ですが、それを超えると課税対象となってしまいます。
自動で売却されることはありません。
運用15年目くらいからは売却の時期を検討したり、商品を入れ替えることも考えていくほうが良いですね。
iDeCoは○年以内という上限はありませんが、最低10年以上運用する必要があります。
55歳から始めた場合は、60歳ではなく65歳から取り崩しが可能になります。
④節税効果
節税効果はiDeCoが最も優れております。
- 一般NISA:利益が非課税
- つみたてNISA:利益が非課税
- iDeCo:利益が非課税+所得税、住民税が軽減
投資の利益が非課税である点は共通です。
iDeCoはプラスアルファで、所得税と住民税が軽減されるというメリットがあります。
税金ってほんとややこしいですよね…


簡単に少しだけ説明するよ!
自営業の人は確定申告で、会社員など給与を受け取っている人は毎月の給料から「所得税」と「住民税」という税金を払っています。
その所得税を…
- これから払うなら安くなる(自営業など)
- 払っているなら還付される(会社員など)
平均的な年収の人が毎月2.3万円(27.6万円/年)積み立てると1年間で約5.5万円の節税ができます。


登録など無し、1、2分でシミュレーションできますので、試してみて下さい!
⑤運用商品
運用可能な商品の数は異なります(同じ商品に投資も可能です)。
- 一般NISA:株式(日本・米国)、投資信託(約2,600本以上)
- つみたてNISA:投資信託(172本)
- iDeCo:投資信託(約30本)、定期預金、保険
一般NISA → つみたてNISA → iDeCoの順に商品数が少なくなっているのが分かりますね。
投資上級者にとって商品数が多いに越したことはありませんが、多すぎる選択肢は初心者にとって難易度が高くなります。


少ないからダメってわけではないよ!
その証拠にこんなニュースが出ました。
つみたてNISA制度がスタートした2018年1月から全商品に投資した場合、全ての商品が含み益になったというものです。


これこそが、投資初心者に「つみたてNISA」や「iDeCo」がオススメとされる所以ですね!
⑥受け取り方
NISAには受け取り方に制限がありませんが、iDeCoは別です。
- 一般NISA:いつでも可能
- つみたてNISA:いつでも可能
- iDeCo:60歳~75歳
iDeCoは60歳までお金を引き出すことができません。


いざという時には困りそうだね…
貯金が少なく(最低でも半年分の生活費)、急な出費に対応できない状況ならiDeCoはやらないほうが良いです。
積み立てをストップすることは可能です。
⑦損益通算
損益通算とは税金対策のために「利益と損失を相殺すること」です。
- 一般NISA:不可
- つみたてNISA:不可
- iDeCo:不可
例えば、買ったり売ったりを繰り返す投資をした場合、利益が出ることもあれば損失が出ることもありますよね?
1年間に出た利益と損失を合算(←これが損益通算)して、利益が残ればその分だけの税金を支払います。
では次のパターンを見てみましょう。
つみたてNISAに満額の40万円を投資しつつ、利益に税金が発生する通常口座でも株式投資をしたとします。
- つみたてNISA口座の損益:ー50万円
- 通常口座の株式投資の利益:40万円
損益通算ができるなら利益はありませんので、税金を払う必要はありません。
しかし、NISAやiDeCoは税金が発生する通常の口座との損益通算ができないので、上記の例では約8万円(40万円×約20%)の税金の支払いが発生します。
⑧併用
それぞれの制度が併用できるのか見ていきましょう。
- 一般NISAとつみたてNISA:×
- 一般NISAとiDeCo:○
- つみたてNISAとiDeCo:○
NISA同士は併用することはできませんが、どちらか一方のNISAとiDeCoは併用可能です。
投資資金に余裕がある、または半分ずつに割り振って利用するなど使い分けるのもアリですね!
結局どっちが向いてる?




違いは分かったけど結局どっちが良いの?
両者を比較したメリット、デメリットがこちらです。
つみたてNISA | iDeCo | |
---|---|---|
メリット | いつでも換金できる | 掛け金が節税になる |
デメリット | 20年以内に売却しないと課税される | 60歳以降まで引き出せない |
- 老後資金(60歳以降)という明確な目的がある
- ある程度の貯金がある(最低でも半年分の生活費)
- ある程度の収入がある
- 投資目的が変わる可能性がある(教育資金、老後資金など)
- 投資目的などは無いけど、地道に資産形成したい
- とりあえず投資始めたい(投資初心者さん)
老後資金が目的で、資金拘束のデメリットを許容できるならiDeCoが向いています。
理由は大きな節税効果が得られるためです。
長く続ければ、節税額だけでも数百万円になりますからね!
ただし、収入が少ないと節税効果が薄くなるので注意しましょう。
年収103万円以下で配偶者の扶養に入っているなどの場合、掛け金による節税額は0円です。
つみたてNISAが向いているのは、運用後の資金の使い道を色々と残しておきたい人です。
いつでも換金できますので、自由度が高く、何も使わなければ老後資金にすることもできます。
今は「何に使うか」をしっかり決めてないけど、とりあえず資産形成していきたい場合もつみたてNISAが良いでしょう!
まとめ
いかがでしたか?
今回は【つみたてNISAと iDeCoはどちらが良いか」について解説しました。
最後にこの記事をもう一度まとめます。
まとめ
- 貯金・収入があり、老後資金という明確な目的があるならiDeCo!
- 運用後の資金の使い道を複数残しておきたいならつみたてNISA!
- パッと思いつく投資目的はないけど、とりあえず資産形成を始めたいならつみたてNISA!
どちらもとても素晴らしい制度なので、ぜひ有効活用していきましょう!
何に投資すると良いかも次の記事で具体的に紹介しますので、楽しみにしてください^ ^
以上、お役に立てれば嬉しいです!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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