節税 資産運用

【これって詐欺!?】不動産投資の節税の仕組みと騙されないための5つのポイントを実際の投資案件で解説します!

節税

こんにちは、くっき〜です!

この記事では

疑問

・不動産投資で節税できるって本当?
・節税目的の不動産投資はあり?

くっき~
くっき~

先に結論言うで!

結論

・不動産投資が赤字なら節税は可能
・節税目的の不動産投資は
ダメ!!

年齢も重ねて少しお金もたまってくると「貯金してるより何かに投資したい」とか「知人に投資案件を紹介された」なんて人も多いのではないでしょうか?

この記事では友人から相談された実際の不動産投資案件を元に節税できる仕組みや注意すべきポイントについて解説しますので、近い境遇の方や今後騙されないためにもぜひ参考になさって下さい!

くっき~
くっき~

友人のためにも気合い入れていってみようっ!

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実際の投資案件

友人より相談された投資案件は内容はこちらです。

物件新築ワンルームマンション
物件価格1,910万円
ローン頭金20万円
ローン額1,890万円
返済期間35年
家賃収入(月)60,600円
ローン返済額(月)59,100円
修繕積立金(月)1,100円
毎月の収支400円

その他初期費用(租税公課、保険料、諸経費)に関しては販売会社が170万円分負担(値引き)するという内容になっていました。

約2,000万円近くのローンを組んで、月々の収支がたったの400円…

これを良い投資物件と思う人は1人もいません。

しかしここで悪魔の囁きをしてくる人がいます。

営業マン
営業マン

あなただけに教えます…

営業トーク

・目的は収益ではなく節税
・買うだけで年間20万円以上節税可能
・空室リスクも保証があるので心配無用
・ローンが終われば資産はあなたのもの
・あなたがオーナーです!

くっき~
くっき~

ゴクリ…

これだけ聞くと頭の中でこんな皮算用が働きます。

頭の中の皮算用

ローンの返済:家賃収入のみで完済
節税効果:何もしないで毎年20万円ゲット
35年後以降:家賃収入がっぽがっぽ

本当に営業マンの言う通りで、リスクも少なく、毎年節税効果が得られて、ローンが終わればオーナーになって資産も残る!なんて聞けば「正直アリかも」と思うのはみんな同じではないでしょうか?

しかし残念ながらこの投資案件は「ゴミ投資案件」です…

くっき~
くっき~

何がダメか分かんない…

実際に不動産投資は節税ができるので、営業マンが言っていることは嘘ではありません。

まずはこの投資案件のキモである「節税の仕組み」から理解していきましょう!

その後、この投資案件の5つの落とし穴を解説していきます!

くっき~
くっき~

こういう手口多いで!

不動産投資で節税できる仕組み

不動産投資で節税できる仕組みを知るには次の2点をざっくり理解する必要があります。

2つのポイント

・納税額の決まり方
・収益の計算方法と必要経費の考え方

くっき~
くっき~

ざっくりでええで!

納税額の決まり方

日本の税金は「累進課税」という方法で計算します。

簡単に言うと「所得が多い人ほどたくさん税金を納める」というものです。

所得額所得税率控除額住民税
〜195万円5%0円10%
195万~330万円10%9.75万円10%
330万~695万円20%42.75万円10%
695万~900万円23%63.6万円10%
900万~1,800万円33%153.6万円10%
1,800万~4,000万円40%279.6万円10%
4,000万円~45%479.6万円10%

所得額が300万円の人と500万円の人で納税額を比較してみましょう!

所得300万円

●所得税
300万円×10%-9.75万円=20.25万円
●住民税
300万円×10%=30万円
合計:50.25万円

所得500万円

●所得税
500万円×20%-42.75万円=57.25万円
●住民税
500万円×10%=50万円
合計:107.25万円

所得に200万円の差があると納税額は約50万円ほど違いが出ることが分かります。

くっき~
くっき~

こんなに違うんやっ!

収益の計算と必要経費の考え方

不動産投資で節税をするには次の条件が必要です。

節税できる条件

不動産投資が帳簿上赤字であること

くっき~
くっき~

帳簿上赤字って?

不動産投資では仮に利益が出ていたとしても、帳簿上赤字になるケースがあります。

その理由は収益の計算方法と必要経費の考え方にあります。

不動産投資の計算式

収益=家賃収入ー必要経費

この必要経費として認められるものは次のような経費です。

引用元:ウェルスハック 武蔵コーポレーション株式会社

今回の投資案件のシミュレーション上の経費は次のようになっていました。

経費項目費用額
ローン金利20万円
減価償却費45万円
租税公課、その他経費80万円
必要経費額145万円

毎月の家賃収入は6.06万円なので、年間の不動産投資の収支は次のように計算します。

帳簿上の年間収支

年間収入:6.06万円×12ヶ月=72.72万円
必要経費:145万円
▼不動産投資の収支▼
72.72万円ー145万円=ー72.28万円(赤字)

こうして必要経費が家賃収入を上回ることで帳簿上は赤字とすることができます。

赤字なら投資者の所得は減ることになりますので、おのずと納税額も減るという仕組みが成り立ちます。

税金を比較

では赤字がある場合で計算してみましょう!

先ほど計算した所得500万円の場合の納税額は合計約107万円でした。

この時、不動産投資が約72万円の赤字なら計算は次のようになります。

納税額の計算

所得額:500万円ー72万円=428万円
●所得税
428万円×20%ー42.75万円=42.85万円
●住民税
428万円×10%=42.8万円
合計:85.65万円

所得500万円の時の納税額が約107万円に対して、赤字が72万円だと納税額は約86万円、つまり約21万円も節税ができたことになります。

これが不動産投資が赤字なら節税が可能になる仕組みです。

くっき~
くっき~

節税できるなら良いやんっ!

この投資案件の5つの落とし穴

節税の仕組みが分かったところで、今回の投資案件がなぜダメなのかについて解説します!

落とし穴は次の5つです。

5つの落とし穴

①利回りが低い
②家賃収入の見通しが甘い
③他のローン融資が受けにくい
④年収が高くないと節税効果は薄い
⑤売りたくても売れない可能性

くっき~
くっき~

1つずつ説明するで!

①利回りが低い

1つ目は「利回りが低い」ことです。

利回りは投資金に対する年間の収益性を表すもので、100万円投資して1年後に10万円の利益が出たなら利回りは10%となります。

ではこの投資物件の利回りを計算してみましょう!

利回りの計算

表面利回り=年間の家賃÷販売価格
年間の家賃:6.06万円×12ヶ月=72.72万円
表面利回り:72.72万円÷1,910万円=約3.8%

この投資物件の利回りは約3.8%です。

では賃貸物件の不動産投資の利回りの相場を見てみましょう!

引用元:日本不動産研究所 不動産投資家調査

今回の物件は大阪地区の新築ワンルームマンションなので、平均値は「4.8%」です。

比較して低いのはもちろんですが、他の地区でも「3.8%」ほど低い利回りはありません。

もし今回の物件の家賃収入で利回りが4.8%だとすると販売価格は「1,515万円」くらいでなければなりません。

差額の400万円は誰のお財布に入っているか考えればすぐに分かりますね。

また表面利回りは経費などが考慮されていないので、「実質利回り」はもっと低下することになります。

②家賃収入の見通しが甘い

2つ目は「家賃収入の見通しが甘い」ことです。

新築だろうろ中古だろうとマンションは必ず老朽化していきます。

修繕積立費でリフォームなどのメンテナンスはするとしても35年間同じ家賃収入が入ってくるとは考えにくいです。

くっき~
くっき~

それ以降もな!

総務省が公表している超難しいデータでも年間で「0.8%~1%下落する」という調査結果となっています。

総務省:借家家賃の経年変化について

仮に今回の家賃の6万600円が毎年0.8%ずつ低下すると考えると…

家賃の推移

10年後:5万5,800円
20年後:5万1,600円
30年後:4万7,500円

あくまでも一定の割合で計算していますが、家賃収入の減少はあらかじめ考慮しておかなければなりません。

③他のローン融資が受けにくい

3つ目は「他のローン融資が受けにくい」ことです。

不動産投資の収益が赤字ならその物件は「資産」ではなく「負債」です。

そうなれば銀行から「返済能力が弱い」と判断され、ローンなどの融資は受けにくくなります。

くっき~
くっき~

ローン組む予定無いで?

もちろんそう言う考えもありますが、重要なことは「後々の選択肢が減る」ということです。

家を買うこともあるかもしれませんし、「新たな事業をしたい」または「もっと良い投資案件が出てきた」という時にも選択肢にすら入れられないかもしれません。

④年収が高くないと節税効果は薄い

4つ目は「年収が高くないと節税効果が薄い」点です。

まずはこちらをご覧下さい。

引用元:ARUHI マガジン

この記事の税金の計算で使用した「所得」とは上の画像でいう「課税所得」のことです。

税金は「収入から経費や控除を差し引いた分=課税所得」に税率を掛けて計算します。

日本人の平均年収は450万円前後なので、課税所得は200万円前後です。

課税所得200万円

所得税と住民税の合計:30.25万円
●72万円の赤字がある場合
所得税と住民税の合計:19.2万円
節税額:約11万円

このように年収が下がるほど節税効果は薄くなります。

現在年収が高いとしても35年間も高年収をキープできるかどうかは誰にも分かりませんよね?

⑤売りたくても売れない可能性

5つ目は「売りたくても売れない可能性」があることです。

くっき~
くっき~

流動性リスクと言うで!

35年間もあれば、途中で売却したいと思うこともあるかもしれません。

仮に土地の価格が高騰して、物件の売却額ががローン残高を超えるなら利益となります。

しかし毎年赤字を垂れ流し、節税額だけでは割りに合わない状況になった時に「もう手放したい、売却したい」と思う人も多いはずです。

くっき~
くっき~

もうムリ…

そんな時にこの赤字物件を買ってくれる人がいると思いますか?

買ってくれるとしたら自分よりも不動産にうとい人か、売却額を買い叩いてくる不動産に詳しい業者のどちらかです…

営業マン
営業マン

この価格なら買ってあげても良いですよ!

この記事を読んで下さってる方は絶対にカモにならないで下さいね。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は実際の投資物件を元に【不動産投資の節税の仕組みと5つの要注意ポイント】についてお伝えさせて頂きました。

最後にポイントをまとめると…

  1. 不動産投資が赤字なら節税可能
  2. 年収が高い人ほど節税額が多い
  3. 節税が1番の目的の投資は百害あって一利なし

投資における節税は「目的」ではなく「助け」、これくらいに思っておく方が良いでしょう。

そもそも2,000万円投資して仮に5%の利回りなら利益は「100万円」、仮にそこから税金を払っても余裕で20万円以上残ります。

投資の世界にはこんなゴミ案件が山ほどありますので、誰かの甘い誘いに誘惑されないよう知識をつけて自分で判断できるようになりましょう!

ちなみに友人はこの物件を断っていました!

以上、お役に立てれば幸いです!

最後まで読んで下さり、ありがとうございました!

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