資産運用

【2024年以降どうなる?】NISAのロールオーバーを8パターンのシミュレーションで分かりやすく解説します!

資産運用

こんにちは、くっき〜です!

この記事では

悩み
  • ロールオーバーって何?
  • 自分の場合はどうなる?

という方に向けて、シミュレーションをまじえながら分かりやすく解説していきます!

この記事で分かること
  • ロールオーバーを理解できる
  • ロールオーバーのパターンを網羅できる

NISAの非課税期間終了が近づいてくると考えておかなければいけないのが「ロールオーバー」です。

しかし考える機会が少ない上に、仕組みもややこしいのでしっかりと理解している方は少ないでしょう。

くっき~
くっき~

もう意味不明…

この記事ではまずロールオーバーについておさらいし、その後ロールオーバーで考えられる8つのパターンでシミュレーションしながら分かりやすく解説します。

非課税期間までまだ時間がある方でもあらかじめ準備しておくに越したことはありませんので、ぜひ参考になさって下さい!

くっき~
くっき~

ボリューム満点!いってみようっ!

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NISAのロールオーバーとは

まずはロールオーバーについておさらいしていきましょう!

ロールオーバーとは
  • 非課税期間を延長できる仕組み

のことです。

くっき~
くっき~

ってことは良いこと?

くっき~
くっき~

良え仕組みやけどややこしいっ!

まず最初のポイントとしてロールオーバー(非課税期間の延長)をするかしないか決定するのは「5年の非課税期間終了」のタイミングです。

引用元:りそなグループ

仮にあなたが一般NISAで5年間運用した後は、次の3つの選択肢に迫られます。

3つの選択肢
  • 売却する
  • 一般口座、特定口座に移す
  • 再度非課税投資枠に移す
    • これがロールオーバー

保有商品の「売却または一般口座、特定口座に移す」を選択する場合は何も難しいことはありませんので迷うこともないです。

ただし、ロールオーバーを選ぶなら再度税制の優遇措置を受けるので、ちょっとややこしいポイントを理解しつつ、自分で申請する必要があります。

利用するかはともかく、投資において選択肢が増えるのはとても大きなメリットです。

くっき~
くっき~

ありがたいなら勉強するぞー!

くっき~
くっき~

現金なやつやな…

ロールオーバーの条件とルール

まずロールオーバーの前提条件は次の2つです。

ロールオーバーをするための2つ条件
  • 同じ金融機関である
  • 期限までに所定の手続きをする
くっき~
くっき~

ここは簡単やな!

ロールオーバーするには同じ金融機関であることが前提です。

また証券会社が指定する期限までに翌年のNISA口座の開設や申請をしておく必要があります。

期限は証券会社によって異なりますが、だいたい12月上旬あたりの締め切りが多いようですね。

参考までに2020年のSBI証券の締め切り日です。

引用元:SBI証券
くっき~
くっき~

過去のやから注意してな!

申請開始は10月頃のところが多いので申請できる期間は約2か月間と思っておきましょう!

くっき~
くっき~

余裕をもってやらないと!

くっき~
くっき~

準備さえしておけばすぐやで!

次にロールオーバーのルールは次の6つです。

ロールオーバーの6つルール
  • ①NISAの種類によってできないものがある
  • ②ロールオーバー分が翌年の非課税投資枠から引かれる
  • ③上限枠を超えても全額ロールオーバーできる
  • ④新NISAの非課税投資枠は2階から引く
  • ⑤一般、ジュニアNISAは時価で計算
  • ⑥つみたてNISAへのロールオーバーは取得価格で計算

まず①についてですが「つみたてNISA」と「新NISA(2階)」の口座で運用している商品はロールオーバーすることはできません。

NISAの種類ロールオーバーロールオーバー先
一般NISA新NISA
つみたてNISA不可
新NISA(1階)つみたてNISA
新NISA(2階)不可
ジュニアNISA新NISA

※2024年よりNISA制度の改正で一般NISAは新NISAとなり、ジュニアNISAは2023年12月に廃止が決定しています。

2024年のNISAの制度改正についてはコチラからどうぞ!

つまりロールオーバーを行う場合は次の4パターンに絞られます。

ロールオーバーの4つのパターン
  • 一般NISA → 一般NISA
  • 一般NISA 新NISA
  • 新NISA(1階) → つみたてNISA
  • ジュニアNISA → 新NISA

他のルール②〜⑥については説明するよりも具体的なシミュレーションで見ていく方が分かりやすいので、そちらで合わせて解説します!

全8パターンをシミュレーションしますので順番に見ていきましょう!

一般NISA → 一般NISA

一般NISAは2023年までの制度なので、該当するのは2018年以前に購入した商品です。

対象商品とルール
  • ~2018年末までに購入した投資商品
  • ②ロールオーバー分が翌年の非課税投資枠から引かれる
  • ③上限枠を超えても全額ロールオーバーできる
  • ④一般、ジュニアNISAは時価で計算

2018年に50万円分購入した商品が5年後に80万円に値上がり

2018年に一般NISAで購入した場合の非課税終了期間(5年後)は2022年末です。

NISAの制度改正まであと1年残っているので2018年分は「一般NISA」でロールオーバーとなります。

このケースの場合、実際に購入した額は50万円ですが、ロールオーバーする際は時価(12月末時点の価格)で計算されますので80万円となります。

2023年分の一般NISA非課税枠120万円からロールオーバーする80万円を引いた40万円が新規に投資できる枠の上限となります。

項目購入時ロールオーバー時
期間2018年より前2022年末より前
商品価格50万円80万円
(+30万円)
一般NISA投資枠残120万円残40万円

2017年に80万円分購入した商品が5年後に150万円に値上がり

2017年に一般NISAで購入した場合の非課税終了期間(5年後)は2021年末です。

そしてこのケースでは時価は150万円です。

非課税枠120万円の上限を超えていますが、ルールにある通り全額ロールオーバーすることができます。

くっき~
くっき~

良かったぁ~!

項目購入時ロールオーバー時
期間2018年より前2022年末より前
商品価格80万円150万円
(+70万円)
一般NISA投資枠残120万円残0万円

その代わり新規投資枠はありません。

一般NISA → 新NISA

2024年より新しいNISAがスタートするので、該当するのは2019年以降に購入した商品です。

対象商品とルール
  • 2019年~2023年末までに購入した投資商品
  • ②ロールオーバー分が翌年の非課税投資枠から引かれる
  • ③上限枠を超えても全額ロールオーバーできる
  • ④新NISAの非課税投資枠は2階から引く
  • ⑤一般、ジュニアNISAは時価で計算

ただ、ここで要注意点があります。

くっき~
くっき~

え…なんか嫌な予感…

新NISAでは投資対象商品が変わり、一般NISAの時には購入できていても新NISAでは購入できない商品が出てきます。

引用元:金融庁
要注意

該当する商品の場合はロールオーバーできません

くっき~
くっき~

そんな~どうすれば…

ハイリスクな商品を購入する際はこういったリスクもあることを知っておきましょう!

2019年に100万円分購入した商品が5年後に60万円に値下がり

2019年に一般NISAで購入した場合の非課税終了期間(5年後)は2023年末です。

2024年より新NISAがスタートしますのでロールオーバー先は新NISAとなります。

新NISAでは非課税枠の使い方が変わり、1階20万円、2階102万円の合計122万円です。

引用元:東証マネ部

新NISAにロールオーバーする際は「非課税枠を2階から引く」というルールなので、今回のケースで残る非課税枠は1階20万円、2階42万円(102万円ー時価60万円)となります。

項目購入時ロールオーバー時
期間2019年以降購入から5年後
商品価格100万円60万円
(ー40万円)
新NISA投資枠
(2階)
残102万円残42万円
つみたてNISA投資枠
(1階)
残20万円残20万円

2022年に100万円分購入した商品が5年後に115万円に値上がり

2022年に一般NISAで購入した場合の非課税終了期間(5年後)は2026年末です。

時価115万円分をまず2階の非課税枠から引き、残りの13万円分を1階の非課税枠から引きます。

この場合2027年に新規に投資できる枠は1階のみ7万円で、つみたてNISA対象商品のみに投資可能です。

項目購入時ロールオーバー時
期間2019年以降購入から5年後
商品価格100万円115万円
(+15万円)
新NISA投資枠
(2階)
残102万円残0万円
つみたてNISA投資枠
(1階)
残20万円残7万円

新NISA(1階) → つみたてNISA

2024年以降に新NISAの1階部分で購入した商品のみが対象です(2階部分で購入した商品は不可)。

対象商品とルール
  • 2024年~2028年末までに新NISA(1階)で購入した商品
  • ②ロールオーバー分が翌年の非課税投資枠から引かれる
  • ⑥つみたてNISAへのロールオーバーは取得価格で計算

2024年に20万円分購入した商品が5年後に30万円に値上がり

2024年に新NISAで購入した場合の非課税終了期間(5年後)は2028年末です。

ここで少しややこしいのが、一般NISAは「時価」で計算していましたがここでは「取得単価」で計算します!

くっき~
くっき~

んーてことは…?

くっき~
くっき~

購入した時の価格ってこと!

ロールオーバー先となるつみたてNISAの非課税枠は40万円なので、残る非課税枠は40万円から取得単価の20万円を引いた20万円となります。

項目購入時ロールオーバー時
期間2019年以降購入から5年後
商品価格20万円30万円
(+10万円)
つみたてNISA投資枠残40万円残20万円

2024年に10万円分購入した商品が5年後に5万円に値下がり

今回のように値下がりしてしまった場合も、時価ではなく「取得単価」で計算します。

なので非課税枠40万円から10万円を引いた30万円が残った非課税枠となり、新規に買付することが可能です。

項目購入時ロールオーバー時
期間2019年以降購入から5年後
商品価格10万円5万円
(ー5万円)
つみたてNISA投資枠残40万円残30万円

値上がり時にはメリットとなりますが、値下がり時にはデメリットとなります。

また新NISAの1階からつみたてNISAにロールオーバーした際には最大25年非課税で運用することができます!

優遇税制を最大限活用する方法
  • 新NISA(1階)で5年運用
    • ロールオーバーしてつみたてNISAで20年運用
くっき~
くっき~

ただおトクやからというので決めたらアカンで!
投資目的のほうが大事や!

ジュニアNISA → 新NISA

ジュニアNISAは2023年末に終了しますが、既に口座開設済みもしくは2023年末までに口座開設する方は子供もしくは孫が成人する時にロールオーバーをすることができます。

くっき~
くっき~

それだと5年以上になる人も多いんじゃ?

くっき~
くっき~

成人するまで「継続管理勘定」で保管されるで!

継続管理元帳とは
  • 子供が成人するまでの期間、投資商品を一時的に預けておく「保管庫」のようなもの。

預けている間は新規の買い付けはできません。

コチラでも解説しています!

5年間の非課税期間中に成人する場合は、子供・孫の名義で新たに新NISA口座を開設し、その口座にロールオーバーすることになります。

注意点として、つみたてNISAへのロールオーバーはできませんので、ジュニアNISAからロールオーバーする場合は「新NISA口座」の1択になります。

対象商品とルール
  • ジュニアNISA口座で購入した投資商品
  • ②ロールオーバー分が翌年の非課税投資枠から引かれる
  • ③上限枠を超えても全額ロールオーバーできる
  • ④新NISAの非課税投資枠は2階から引く
  • ⑤一般、ジュニアNISAは時価で計算

15歳の子供の口座で2021年に80万円分購入した商品が5年後に100万円になった

2021年にジュニアNISAで購入した場合の非課税終了期間(5年後)は2025年末です。

また5年後には成人していますので子供の名義で新NISA口座を開設後、ロールオーバーすることができます。

ジュニアNISAからは新NISAへのロールオーバーしかできないので、非課税枠は新NISA(2階部分)の102万円から時価の100万円を引いた2万円です。

項目購入時ロールオーバー時
期間2023年末より前子供が成人、新NISA口座開設
商品価格80万円100万円
(+20万円)
新NISA投資枠残102万円残2万円

つみたてNISAを希望の場合は、ロールオーバーした翌年に区分変更の申請をすると可能です。

10歳の子供の口座で2023年に80万円分購入した商品が10年後に200万円になった

2023年にジュニアNISAで購入した場合の非課税終了期間(5年後)は2027年末です。

しかしその時子供はまだ成人していないため、「まだ売却しない」場合は非課税で運用可能な継続管理勘定に移管できます。

成人するまで保有し続けて200万円になった場合、子供の名義で新NISA開設後、全額ロールオーバーすることが可能です。

項目購入時ロールオーバー時
期間2023年末より前子供が成人、新NISA口座開設
商品価格80万円200万円
(+120万円)
新NISA投資枠残102万円残0万円
くっき~
くっき~

投資枠超えてても良いんや!

くっき~
くっき~

その代わり新規に買付はできへんで!

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は【NISAのロールオーバー】について詳しくお伝えさせて頂きました!

最後にポイントをおさらいすると…

  1. ロールオーバーとは非課税期間を延長すること
  2. 5年の非課税期間終了時の選択肢の1つ
  3. いくつかルールがあり、NISAの種類によって異なる

ロールオーバーは多少条件はあるものの、自分で選択できる良い制度です。

途中で解説した注意点も理解しながら、うまく活用していきましょう!

以上、お役に立てれば幸いです!

最後まで読んで下さり、ありがとうございました!

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