高配当株投資

【景気敏感株の見分け方を紹介!】ベータ値の調べ方、注意点と活用方法についても解説します!

高配当株投資
悩んでいる人
悩んでいる人

・個別株のポートフォリオバランスを調整したい
・一般論ではなく数値で景気敏感株を判断したい

このようなお悩みをキッパリ解決します!

この記事の結論

  • 景気敏感株かディフェンシブ株かは【ベータ値】で判断できる
  • ベータ値が【1.0以上】なら景気敏感株
  • ベータ値が【1.0以下】ならディフェンシブ株

高配当株投資など複数の個別株を購入している人にとって、経済の荒波に耐えられるポートフォリオ作りは必須ですよね?

しかし、業界や銘柄がどの程度景気に左右されるのか、何かしらの指針が無ければ判断できません。

そこでこの記事では、景気敏感株とディフェンシブ株を見分ける【ベータ値】の見方や調べ方を紹介します。

注意点や活用方法についても解説しますので、ぜひ参考になさって下さい!

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景気敏感株とディフェンシブ株の見分け方

景気敏感株とディフェンシブ株は何を持って見分けるのでしょうか?

答えは「株価の振れ幅」です。

次が景気敏感株の特徴です。

  • 景気が良い時に株価は大きく上昇
  • 景気の悪い時に株価は大きく下落

次がディフェンシブ株の特徴です。

  • 景気が良くても株価は大きく伸びない
  • 景気が悪くても株価は大きく下がらない

振れ幅が大きいかどうかの判断は、日本の全上場企業の平均値(TOPIX指数)と比較して判断します

景気敏感株
ディフェンシブ株

TOPIX指数とは…

東証市場に上場する約2,000社の株価を時価総額に基づき、平均化した指数。

要するに、株価の振れ幅がTOPIX指数より大きい銘柄を「景気敏感株」、TOPIX指数より小さい銘柄を「ディフェンシブ株」と定義付けることができますね。

株価変動を比較して数値化する「ベータ値」

TOPIX指数と個別株の振れ幅を比較して、数値として分かりやすくしたものが「βベータ値」です。

見方はとっても簡単です!

基準となるTOPIX指数を「1」として、それより大きいか小さいかを見ます。

ベータ値の見方
  • TOPIX指数を1とする
  • 1より大きければ「景気敏感株」
  • 1より小さければ「ディフェンシブ株」

シンプルですよね?

仮にTOPIX指数の価格変動率が10%の時に、個別株の変動率が15%だった場合にベータ値は「1.5」になります。

くっき~
くっき~

平均よりも1.5倍の値動きがあるということだね!

算出方法は難しいですが、この後に解説する探し方さえ知っておけば自分で計算する必要はありません。

ベータ値の調べ方を3つ紹介

ベータ値の調べ方を3つ紹介します。

使い勝手や目的に合わせて好きなものを使って下さい!

今回は2022年5月時点で時価総額TOP3銘柄のベータ値をそれぞれのサイトで調べていきます!

  • トヨタ自動車(証券コード:7203)
  • ソニーG(証券コード:6758)
  • NTT(証券コード:9432)

調べ方①:資本コスト

引用元:資本コスト

上のリンクからサイトに飛びます。

Searchに証券コード入力

「Search」に"トヨタ自動車"または証券コードの"7203"を入力すると自動で表示されます。

トヨタベータ値

トヨタ自動車のベータ値は「0.82」です。

ベータ値が1以下なのでトヨタ自動車は「ディフェンシブ株」と言えます。

算出期間も変更できますが、短期間では一時的なデータとなりますのでデフォルトの「月次5年」がオススメです。

期間指定

調べ方②:ロイター(国際ニュース通信社)

引用元:ロイター

ロイターの手順は少し分かりにくいので、スマホ・PCの両方を説明します。

【スマホ】

上のリンクからサイトに飛びます。

手順①:右上の「検索ボタン」をタップします。

手順①:検索窓タップ

手順②:証券コードの"6758"を入力します。

手順②:証券コード入力

手順③:「会社」というタブを選択して、東京証券取引所のブロックをタップします。

手順③:会社タブ、該当銘柄をタップ

手順④:下にスクロールして「指標」タブを選択するとベータ値が表示されます。

手順④:指標タブをタップ

ロイターのベータ値の算出期間は5年、ソニーGのベータ値は「0.87」です。

ベータ値が1以下なのでソニーGは「ディフェンシブ株」と言えます。

【PC版】

画像のみで説明します。

PC手順①:株式市場タブ、国内株式クリック
PC手順②:証券コード入力し検索

この後の流れはスマホと同じです(該当銘柄をクリックし、指標タブを選択)。

ロイターでは少し手間が増えるものの、該当銘柄の他の情報も多く入手できるので便利です。

調べ方③:バフェット・コード

引用元:バフェット・コード

上のリンクからサイトに飛びます。

手順①:検索窓に証券コード"9432"を入力します。

手順①:証券コード入力

手順②:「業績」タブを選択後、「指標」タブを選択します。

手順②:業績タブ選択、指標タブ選択

下の方に直近3年分のベータ値が表示されます。

NTTベータ値の推移

ベータ値が1以下なのでNTTは「ディフェンシブ株」と言えます。

また、ここ3年の推移はTOPIXに比べ、鈍化していることも分かりますね。

全33業種のベータ値を紹介

今回調べた3銘柄は全てディフェンシブ株という結果になりました。

参考までに「業種ごとのベータ値」とその業種の中で「時価総額が最も大きい銘柄のベータ値」をまとめました。

くっき~
くっき~

業種や全体感を掴むのに参考にしてね!

業種ベータ値銘柄
(証券コード)
ベータ値
海運業1.90日本郵船
(9101)
1.85
鉄鋼1.64日本製鉄
(5401)
1.79
鉱業1.63INPEX
(1605)
1.66
ガラス・土石製品1.35AGC
(5201)
1.31
金属製品1.30LIXIL
(5938)
1.56
機械1.28ダイキン工業
(6367)
1.08
非鉄金属1.24住友金属鉱山
(5713)
1.34
サービス業1.20リクルートHD
(6098)
1.63
不動産業1.18三井不動産
(8801)
1.25
その他金融業1.13オリックス
(8591)
1.23
証券・商品先物取引業1.12野村HD
(8604)
1.00
空運業1.10ANAHD
(9202)
1.07
電気機器1.10ソニーG0.87
銀行業1.10三菱UFJフィナンシャル・G
(8306)
1.20
石油・石炭製品1.10ENEOSHD
(5020)
1.07
医薬品1.09中外製薬
(4063)
1.07
倉庫・運輸関連業1.08上組
(9364)
0.94
輸送用機器1.03トヨタ自動車
(7203)
0.82
繊維製品1.01東レ
(3402)
1.14
卸売業1.01三菱商事
(8058)
0.79
化学1.00信越化学工業
(4063)
1.23
建設業0.98大和ハウス
(1925)
0.77
保険業0.97東京海上HD
(8766)
0.76
ゴム製品0.95ブリヂストン
(5108)
0.86
陸運業0.95東海旅客鉄道
(9022)
1.08
その他製品0.92任天堂
(7974)
0.84
精密機器0.90HOYA
(7741)
0.67
パルプ・紙0.82王子HD
(3861)
0.95
小売業0.78ファーストリテイリング
(9983)
1.14
水産・農林業0.78日水
(1332)
1.05
食料品0.71JT
(2914)
0.69
情報・通信業0.70日本電信電話
(9432)
0.48
電気・ガス業0.54東京瓦斯
(9531)
0.30

ベータ値「1」を基準に業種を振り分けたものがこちらです。

景気敏感株ディフェンシブ株
海運業、鉄鋼、鉱業、ガラス・土石製品、金属製品、機械、非鉄金額、サービス業、不動産業、その他金融業、証券・商品先物取引業、空運業、電気機器、銀行業、石油・石炭製品・医薬品、倉庫・運輸関連業、輸送用機器、繊維製品、卸売業、化学建設業、保険業、ゴム製品、陸運業、その他製品、精密機器、パルプ・紙、小売業、水産・農林業、食料品、情報・通信業、電気・ガス業

1付近の業種は算出する期間でどちらにも振れる可能性がありますので、個別銘柄で確認する方が良いですね。

注意点と活用方法

最後に注意点と活用方法を紹介します。

注意点:偏りすぎは禁物

ポートフォリオの偏りすぎは禁物です。

景気敏感株の大きな下落の可能性を考えれば、その理由はイメージしやすいですね。

ディフェンシブ株は暴落などを軽減できますが、景気が良い時に利益を取り損ねやすいのが難点です。

全33業種で最もベータ値が低い「電力・ガス業界」の株価推移(直近15年)を見てみましょう。

電力とTOPIX比較
引用元:株マップ.com
ガスとTOPIX比較
引用元:株マップ.com

TOPIXよりも株価の伸びがイマイチなのが分かります。

「獲れる時に獲り、耐える時にしっかり耐えられる」そんなバランスの良いポートフォリオを目指したいですね!

活用方法:買うタイミング

株の購入時にベータ値を活用する方法を紹介します。

あくまで個人的な考えなのでご参考までに。

買い方
  • 景気が良い時はディフェンシブ株を買う
  • 景気が悪い時は景気敏感株を買う

例えば、コロナが本格化した2020年3月時点では日本株は大きく下落しました。

日経平均株価チャート(コロナ)
引用元:日経平均リアルタイムチャート

しかし、その後はずっと上昇を続け「日経平均株価は30年ぶりの高値」というニュースもよく見かけました。

このように株価全体が上昇している時は、下落に備えてディフェンシブ株を購入すると良いです。

反対に株価全体が下がっている時には、値上がりを期待して景気敏感株を購入を検討します。

くっき~
くっき~

信用取引(お金を借りて購入する)はNGだよ!

株価の割安感や決算結果だけでなく、ベータ値など細部にまで目を配って自分のリスク許容度に合うポートフォリオを作成していきましょう!

まとめ

いかがでしたか?

今回は【景気敏感株を見分けるベータ値】について解説しました。

最後にもう一度この記事をまとめます。

まとめ

  • ベータ値が1以上なら「景気敏感株」
  • ベータ値が1以下なら「ディフェンシブ株」
  • ポートフォリオの偏りすぎには注意が必要

株の購入チェックリストにぜひ「ベータ値」も加えてみて下さい!

バランスの良いポートフォリオを一緒に作っていきましょう^ ^

優良な高配当株銘柄の探し方はこちら!

以上、お役に立てれば嬉しいです!

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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