こんにちは、くっき〜です!
この記事では
・インフレ、デフレって実はイマイチよく分からない…
・貯金にもリスクがあるって本当?
・自分にも影響あるの?
という方に向けて、分かりやすく解説していきます!

先に結論言うで!
・インフレとはモノの価値が上昇して、お金の価値が下がること
・インフレが進行すると貯金の額は同じでも価値は下がる
投資を始めようか迷っている時や始めて間もない頃にはこんなことを言われるかもしれません。
「投資なんて危険なことをせずに貯金しなさい!」
これは半分正解で半分間違っています。
特に「貯金なら絶対安心!」と思っている場合はインフレについての認識が足りていないかもしれません。
この記事ではインフレと日本の現状と個人でできる対策について、分かりやすく解説していきますので「イマイチよく分からないな」という方は是非参考になさって下さい!

では気合い入れていってみようっ!
インフレとデフレ
まずは「インフレ」とその全く逆にあたる「デフレ」について確認していきましょう!

学生の頃に聞いた記憶はあるけど…
インフレ:モノの値段が上がり、お金の価値が下がる
デフレ:モノの値段が下がり、お金の価値が上がる

1つずつ解説するで!
インフレ(インフレーション)
インフレとは「モノの値段が上がり、お金の価値が下がる」ことを言います。
例えば去年はリンゴ1つを100円で買っていたのに、今年は1つ買うのに200円払わないと買えない。

値上がりしとるやん…
去年:1円=1円
今年(去年と比較):1円=0.5円
去年に比べるとお金の価値が下がった、つまり「去年よりインフレが進行した」ということになります。
日本全体でインフレが進行すると、「リンゴは高くなってるからバナナにしよう!」とバナナを見てもバナナの値段も同じように上昇しています。
もちろん食べ物だけでなく、家や車、日用品やおもちゃ、それ以外のサービスなど全体的にモノ・サービスの値段が上昇します。

インフレ最悪…
ただ値上がりして企業の収益が増えれば、その分会社員の給料アップにつながるとも考えられるので、全部が悪いわけではありません。

実際は別の話やけどな!
もう1つインフレの一種に「ステルス値上げ」というものがあります。

画像のように「値段は同じでも内容量が以前より減った」こういったものもインフレと言えます。
デフレ(デフレーション)
デフレとは「モノの値段が下がり、お金の価値が上昇する」ことを言います。
去年はリンゴ1つを200円で買っていたのに、今年は1つ買うのに100円で買える。

値下げ嬉しいっ!
去年:1円=1円
今年(去年と比較):1円=2円
去年に比べるとお金の価値が上がった、つまり「去年よりデフレが進行した」ということになります。
デフレが進行するとインフレとは全く逆で、モノ・サービスの値段が全体的に下がり、企業収益も減少します。
結果的に会社員の給料が下がる、リストラが増える、最悪会社が倒産なんていう可能性もあります。
こうなると消費者としては当然、「今までよりもお金を使うのを控えよう」という心理になり、経済は悪循環(デフレスパイラル)となります。
↓ モノの値段が下がる
↓ 企業収益が減少
↓ 給料ダウン
↓ 消費者がモノを買わない
↓ 企業がさらに値下げ
インフレとデフレを比べると、デフレの方が日本全体のデメリットが大きいということで「緩やかなインフレが望ましい」とされています。
日本の目標はインフレ率2%
極端なインフレやデフレは日本経済に大きな影響を及ぼしますので、そういったことが無いように「日本銀行」が様々な金融政策を行い、調整を行なっています。
その日本銀行が目標に掲げているのが「前年比2%の物価上昇」です。

今年リンゴを100円で買えるなら、来年は102円、2年後には104.04円で買えるようにしようという目標なので、実現するなら1年後には同じ値段で買えないことになりますね。
先のことは分かりませんが、過去や現状、他国はどうなっているのかを知るのは非常に大切なことなので、それぞれ解説していきます!
日本の過去と現状
インフレの進み具合は総務省が毎月公表している「消費者物価指数」という資料から知ることができます。
消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)とは消費者が購入する際の「モノ」や「サービス」の値段の水準を示す数値のことです。
考え方はすごくシンプルで、基準となる年をどこかに決めて、その数値や前年と比較してモノやサービスの値段が総合的に「〇%上がった、〇%下がった」というように見ることができます。
下記の指数は2015年(基準となる年)を100として、他の年度を比較したものです。
2015年=100年度 | 指数 | 前年度比(%) |
---|---|---|
2020 | 101.7 | -0.2 |
2019 | 102.0 | 0.5 |
2018 | 101.4 | 0.7 |
2017 | 100.7 | 0.7 |
2016 | 100.0 | -0.1 |
2015 | 100.0 | 0.2 |
2014 | 99.8 | 2.9 |
2013 | 96.9 | 0.9 |
2012 | 96.1 | -0.3 |
2011 | 96.3 | -0.1 |
2010 | 96.4 | -0.4 |
2009 | 96.9 | -1.7 |
2008 | 98.6 | 1.1 |
引用元:総務省統計局 2015年基準 消費者物価指数を元に作成
2015年の指数「100」に対して2020年は「101.7」となっていますので、日本はこの5年で物価が1.7%上昇した(インフレが1.7%進行した)ということなります。

あれ?目標ってたしか…
目標は前年比2%増なので、現実は目標を全く達成できていないことになります。
他の年を見ても2%以上なのは2014年だけなので、これまでの推移を見ても中々難しい目標という感じがしますね。
次はもっと過去に遡ってみます!
画像は1947年から2019年の消費者物価指数をグラフ化したものです。

●2015年を「100」とする
1950年(65年前):12.2
1970年(45年前):31.9
1990年(25年前):91.7
これをお金を価値に換算し比較してみます。
●2015年と比較
1950年(65年前):100÷12.2=約8.2倍
1970年(45年前):100÷31.9=約3.1倍
1990年(25年前):100÷91.7=約1.1倍
100万円を握りしめて65年前にタイムスリップしたなら、握りしめた100万円は約820万円の価値があることになります。

戻りたぁ~~~い
ただ過去に戻ることはありませんので、未来について考えましょう!
日本の目標とする物価上昇率2%を毎年達成した場合を考えて、貯金の1,000万円のお金の価値がどのように変化していくか見てみましょう!
経過時間 | 貯金額面 | 当時1,000万円のモノの値段(約) | 価値下落率 | 貯金価値 |
---|---|---|---|---|
1年後 | 1,000万円 | 1,020万円 | 98.0% | 980万円 |
2年後 | 1,000万円 | 1,040万円 | 96.1% | 961万円 |
3年後 | 1,000万円 | 1,061万円 | 94.2% | 942万円 |
4年後 | 1,000万円 | 1,082万円 | 92.4% | 924万円 |
5年後 | 1,000万円 | 1,104万円 | 90.6% | 906万円 |
6年後 | 1,000万円 | 1,126万円 | 88.8% | 888万円 |
7年後 | 1,000万円 | 1,149万円 | 87.1% | 871万円 |
8年後 | 1,000万円 | 1,172万円 | 85.3% | 853万円 |
9年後 | 1,000万円 | 1,195万円 | 83.7% | 837万円 |
10年後 | 1,000万円 | 1,219万円 | 82.0% | 820万円 |
11年後 | 1,000万円 | 1,243万円 | 80.4% | 804万円 |
12年後 | 1,000万円 | 1,268万円 | 78.8% | 788万円 |
13年後 | 1,000万円 | 1,294万円 | 77.3% | 773万円 |
14年後 | 1,000万円 | 1,319万円 | 75.8% | 758万円 |
15年後 | 1,000万円 | 1,346万円 | 74.3% | 743万円 |
16年後 | 1,000万円 | 1,373万円 | 72.8% | 728万円 |
17年後 | 1,000万円 | 1,400万円 | 71.4% | 714万円 |
18年後 | 1,000万円 | 1,428万円 | 70.0% | 700万円 |
19年後 | 1,000万円 | 1,457万円 | 68.6% | 686万円 |
20年後 | 1,000万円 | 1,486万円 | 67.3% | 673万円 |
2%ずつ物価が上昇すると1,000万円の貯金は20年後には673万円の価値しかありません。

そんなアホな…
貯金だろうとインフレリスクは付きまとうので「貯金なら絶対安全」という考えは見直した方が良いかもしれません。
他国と比較
他国はどうなっているのか見てみましょう!
次のグラフはGDP上位4国の消費者物価指数(前年比率)を比較したものです。

●2021年4月時点
米国:4.2%
ドイツ:2.1%
中国:0.9%
日本:ー0.4%
マイナスだからダメではありませんが、「日本は他国に比べて物価上昇力が弱い」ということは分かります。
「じゃあインフレリスクはそこまで考えなくて良いのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし先のことは誰にも分かりませんし、日本は輸入大国です。
輸入先の国の物価が上がっていれば日本が輸入する時の価格も上がるので、モノの販売価格が上がるのも普通のことではないかなと思います。

油断は禁物なんや!
インフレの対策
インフレの進行は世界の流れで逆らうことはできませんので、個人で対策するしかありません。
「円」以外の資産を持つ
明確な対策方法はこれしかありません。

「円以外って…?
・不動産
・コモディティ(金や銀など)
・外貨建て資産(通貨、株式、債券など)
・その他「モノ」
特にモノ自体に価値がある「不動産」や一定量しか存在しない「金」はインフレに強いとされています。
実際にコロナ後は世界的にインフレ傾向の中、「金」は2020年8月に過去最高値となる1オンスあたり2,000ドルを一時突破しています。

今は「投資はお金持ちの人がやること」というイメージは間違っています。
投資は増やすためでもあり、守るためでもあるからです。
それに今では誰でも簡単にネットで「不動産投資」ができますし、「NISA」や「iDeCo」など国の優遇税制を受けながら誰でも海外に投資することもできます。
後から後悔しないために今から少しずつでも知識をつけて、対策していきましょう!
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は【インフレと現状、対策】についてお伝えさせて頂きました!
最後におさらいすると…
- インフレはモノ・サービスの値段が上がってお金の価値が下がること
- 日本のインフレ率は低いものの上昇傾向
- 個人でできる対策は円以外の資産を持つこと
自分の将来も大切なお金も責任を取れるのは自分だけなので、知識をつけ、行動にうつし、お金の不安をなくしていきましょう!
以上、お役に立てれば幸いです!
最後まで読んで下さり、ありがとうございました!
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