
新たに保険に入ろうとか迷っている…
保険を解約しようか迷っている…
このような悩みを解決する保険についての考え方と種類を解説します!
この記事の結論
- 本当に必要な保険は火災保険と自動車保険のみ!
- 遺族年金で足りなさそうなら死亡保険(掛け捨て)もあり!
- その他の保険は不要!
みなさんは毎月の保険代にいくら支払っていますか?
生命保険文化センターの調査によると1世帯あたりの保険料年間支払額は37.1万円/年間、月に換算すると約3万円です。
こんな数字を見せられると「平均より少ないから不安…」「もっと保険を増やしたほうが良いのか」という気持ちになりそうですが、保障を厚くするほど毎月の生活は苦しくなるのが保険です。
そこでこの記事では、将来の不安と今の生活のバランスをうまく取るために必要な保険と不要な保険を明確に分断します。
保険の加入、解約を迷っている人は参考になさって下さい!
保険を考える上で重要な判断基準

保険が必要か不要かを考える上で2つの重要な判断基準があります。
それは「保険の本質」と「社会保険」です。
この2つを理解するだけで、必要な保険はくっきり見えてきます!
保険の本質はお金
保険の難しいところは、目に見えない不安や予想できない出来事を考えなければならない点です。

保険商品自体も複雑で難しいのにね…
「自分に何かあったら家族は大丈夫だろうか…」重い病気が発覚したらどうしよう…」と、考えるほど不安はつのり「安心」を買いたくなります。
しかし、冷静になって考えると保険の本質はお金です。
保険はいざという時に自分や家族に経済的な援助が行われる仕組みの商品だからです。
つまり、保険で買える安心はあくまでも「お金の不安のみ」で、病気やお金以外の不安を取り除くことはできないということを再認識しておきましょう。
充実した社会保険制度
みなさんは社会保険と聞いて、何を思い浮かべますか?
聞きなれない言葉でちょっとイメージしにくいかもしれませんね。
しかし日本はこの社会保険制度がひじょ〜に充実していて、みなさんにも大いに関係するものです。
例えばどんなものがあるのか、メジャーどころを見てみましょう。
- 高額療養費制度:1ヶ月の医療費が莫大になった時に、一定金額を超えた分のお金が支給される制度
- 傷病手当金:病気やケガで働けなくなった場合に、ざっくり給料の3分の2のお金が支給される制度
- 遺族年金:一家の大黒柱が死亡した時に、遺族にお金が支給される制度(年齢や子の数によって支給額は異なる)
知っている制度はありましたか?
会社員はこれらの制度が全て対象、自営業やフリーランスの人も高額療養費制度や遺族年金は対象です。
CMで見る保険に加入する前に、国の保険でどこまで保障されるのか知るほうが先決です。

毎月の収入から保険料を払っているんだからね!
それでも足りなければ、任意の保険加入を検討しましょう。
分かりやすく必要な保険の種類を次にまとめました。
絶対に必要な保険
ではこの2つの判断基準を元に、複数ある保険商品を次の3つに分類していきます。
- 絶対に必要な保険
- あっても良い保険
- 不要な保険
自営業やフリーランスの人は会社員や公務員に比べて社会保障制度が薄いです。
死亡保険を厚くしたり、働けなくなった時のために”就業不能保険”を利用するのはアリです。
火災保険
絶対に必要な保険1つ目は「火災保険」です。
持ち家だろうと賃貸だろうと全員が加入するべきです。
まずは火に関する重要な法律を知りましょう。
逆に言えば隣家からの延焼で自宅が火事になっても、隣家の人に賠償責任はありません。
つまり自分で火災保険に入っていなければ、預金口座以外の資産を全て失う可能性があるということです。
住宅ローンが残っていれば、「家が無いのに借金だけが残る」と最悪のケースもありえますので、火災保険には加入しましょう。

まさにいざという時に該当するケース!
自分の家(資産)は自分で守るしかない!
賃貸の場合、隣の部屋への賠償責任はありませんが、大家さんに対しての賠償責任は発生しますので、同じように火災保険は必要です。
住宅購入、賃貸契約時に不動産会社から紹介される火災保険は割高の可能性がありますので、自分で探して加入しましょう。
火災保険は月々のコストもそこまで高くありませんので、支出を抑えつつ"いざ"に備えることができる保険です。
火災保険のオプションである地震保険は基本的に不要ですが、土砂や津波の心配がある地域だけは付帯しても良いと思います。
自動車保険(車両保険は不要)
車を所有している場合、自動車保険も必須です。
車の保険には任意で加入する「自動車保険」と強制的に加入「自賠責保険」があります。
自賠責保険は法律で補償額が決まっています。
- 対物事故:対象外
- 死亡事故:最高3,000万円
- 後遺障害:最高4,000万円
自賠責保険は対物事故が対象外で、相手を死なせてしまった場合でも最大で3,000万円の補償しかありません。
警察庁によると2021年の交通事故による死亡者数は2,636人にものぼります。
命の価値はお金には変えられませんが、他に方法が無いので賠償額は数億円単位になることもあります。
自賠責保険だけではいざという時に数千、数億という賠償責任を負うことになりますので、自動車保険には必ず加入しましょう。
ただし、車両保険は不要です。
数十万円程度の修理代のために毎月高い保険料を払うにも関わらず、仮に修理すれば等級も下がってさらに保険代が高くなる仕組みです。
車両保険を無くすだけで、自動車保険の負担はかなり軽くなりますよ。
あっても良い保険
絶対必要というわけではなく、状況によっては加入しても良いと思えるのが死亡保険です。
死亡保険(掛け捨て)
死亡保険は加入者(被保険者)が死亡した時に遺族に保険金が支払われる保険です。
大きく分けて定期保険、養老保険、終身保険の3種類ですが、加入しても良いと思えるのは「掛け捨ての定期保険」です。
ただ、一家の大黒柱が死亡した時には「遺族年金」が支給されますので、死亡保険に加入する前に遺族年金がどれだけ支給されるのか知りましょう。
- 仕事:会社員
- 平均標準報酬月額:35万円
- 子供:2人
この場合、下の画像の赤枠のところが月額の支給額になります。


月額約15万円、仮に10年受け取り続けたら支給額の合計は1,800万円にもなります。
「意外と多いな」と思った人も多いのではないでしょうか?
死亡保険に加入するかどうかは、自分に何かあった時に「遺族年金がどのくらい受け取れそうか」をまず知り、それでも足りなさそうなら掛け捨ての死亡保険の加入を検討しましょう!
掛け捨ての定期保険なら、それなりの補償額を選択しても月々のコストは抑えられます。
養老保険、終身保険はこの後の不要な保険で解説します。
不要な保険
保険商品はかなり多いので1つ1つの説明は割愛しますが、ここまで紹介した火災保険、自動車保険、死亡保険以外の保険は不要と考えます。
ここでは多くの人が加入する「医療保険」と貯蓄の要素も兼ね備えた「貯蓄型保険」について解説します。
医療保険
医療保険は病気やケガをした際に契約時の条件に当てはまっていれば、保険金が給付される保険です。
がん保険も医療保険の一種です。
医療保険を加入・検討する人は、いざという時の手術代や入院費用が「莫大な金額になる」と考えるからではないでしょうか?


いくら必要になるか分からないから余計に不安だよね…
しかし、実際に莫大な金額を支払うことは稀です。
日本に生きる限り、どんな病気でも社会復帰、家庭復帰するまでに必要な医療費は50万円と言われています。
その理由は先にもお伝えした「高額療養費制度」があるためです。
一般的な年収(300〜500万円程度)の人が保険適用内の医療を受けた場合、医療費に100万円かかったとしても実際に支払う額は10万円程度/月です。
病室を個室にするなどの費用は高額療養費制度の対象外です。
莫大な金額の正体が分かれば、医療保険が必要かどうかはハッキリしますね。
ケガや病気で収入源が無いという状況でも傷病手当金(自営業者は対象外)によって生活費が支給(最大6ヶ月)されます。
貯蓄型保険
貯蓄型保険は「万が一にも備えつつ、貯蓄機能を備えた保険」のことです。
貯蓄型保険という商品は無いので、商品説明に「解約返戻金」とか「満期保険金」という言葉があるかチェックして下さい。
- 養老保険
- 終身保険
- 個人年金保険
- 学資保険
- 変額保険など
これらの保険は「コストが高く、元本割れする可能性が高い」という悪い特徴があります。
私の知人は変額保険に毎月2万円を1年間支払っていました。
普通に貯金していれば20万円以上のはずが、解約時には10万円程度になっていました…
保険商品を通して投資をすると、最初から解約するまでずっと高い手数料を搾取され続けてしまいます。
分けて考えることが大切ですね。
どうやって備える?




いざという時に保険金が無かったらどう対処するの?
この回答をするなら、やはりまずは「貯金」次に「投資」です。
いくら社会保障制度が充実していると言っても完ペキではありませんので、保険に払うはずだったお金を貯金や投資に回して備えましょう。
保険にしか使えない保険金と何でも使える貯金では、備えの力も生活満足度も貯金のほうが上です。
「貯金が苦手、あるだけ全部使ってしまう」という人はぜひ貯金マシーンを作ってみて下さい!
まとめ
いかがでしたか?
今回は本当に必要な保険と不要な保険について解説しました。
この記事をまとめるとこのようになります。
まとめ
- 必要な保険は火災保険、自動車保険(車両保険は不要)
- 遺族年金で足りないなら、掛け捨ての死亡保険はあり
- その他保険には加入せず、貯金や投資で備えよう
保険との付き合い方を間違えると家計は一気に苦しくなります。
将来の安心を買いすぎて、今の生活がないがしろにならないように知識を身につけましょう^ ^
以上、お役に立てれば嬉しいです!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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