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【公的制度ちゃんと理解してる?】生命保険に入る前に知っておきたい遺族年金について分かりやすく解説します!

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こんにちは、くっき〜です!

この記事では

悩み

・遺族年金って何?
・自分も対象なの?
・どれくらい受け取れる?

という方に向けて、分かりやすく解説していきます!

くっき~
くっき~

先に結論言いたいところやけど…

条件や状況が複雑なので、記事の中で順を追って説明します!

この記事で分かること

・遺族年金はどんなものか
・自分の場合、受け取れる額はどれくらいか

結婚や子供など守るものが増えた時に「家族を養っている人の身にもしものことがあったらどうしよう、生活できるだろうか」と不安になる方は多いです。

そんな時、多くの方がまず最初に思いつくのは「生命保険」などの民間保険ではないでしょうか?

くっき~
くっき~

民間保険は補助やで!

条件や金額の大小はあるものの多くの家庭が「遺族年金」の支給対象になりますので、どんな生命保険が良いかを調べる前にまずは公的制度について理解することが先決です。

この記事では遺族年金の対象の条件や、対象の場合の支給額、一般的な世帯の支出と比較してどれくらい不足するのかなどを分かりやすく解説していますので、ぜひ参考になさって下さい!

くっき~
くっき~

役に立てるよう一生懸命解説します!

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遺族年金の概要

遺族年金とは生計を維持している一家の働き手の方、もしくは年金の受給者が亡くなってしまった場合に遺族の方に給付される年金のことです。

遺族年金は次の2種類に分けられ、亡くなった方の生前の年金加入状況によってどちらを受け取るか決まります。

2種類の遺族年金

・遺族基礎年金
・遺族厚生年金

亡くなった方が厚生年金に加入していなかった場合は「遺族基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の両方を受け取ります。

くっき~
くっき~

厚生年金って…

厚生年金とは会社員や公務員の方だけが加入する年金のことです。

国民年金は全員加入です。

引用元:楽天生命
公的年金の加入

●国民年金のみ加入→遺族基礎年金
・個人事業主やフリーランスの方など
・扶養に入っている配偶者の方など
●国民年金と厚生年金に加入→遺族厚生年金
・会社員
・公務員

年金の基礎的なことについてはコチラの記事でも解説しています!

会社員や公務員の方は生前に年金を多く支払っているので、遺族が受け取る額も多くなります。

遺族年金を受け取れる条件

遺族年金は全員が受け取れるわけではなく、いくつか条件があります。

くっき~
くっき~

聞いてへんでっ!

遺族基礎年金と遺族厚生年金では条件が一部異なりますので、それぞれ解説していきます。

遺族基礎年金の条件

遺族基礎年金を受け取れる人と条件は次のようになっています。

受給資格

●受給対象者
・子供のいる配偶者
・子供
●亡くなった方の主な条件
・18歳(20歳)未満の子がいる
・国民年金保険料を未納、滞納していない
・生計を維持していた

遺族基礎年金は「子供のいる配偶者」か「子供」だけが受け取れる年金で、子供がいない家庭では受け取ることができません。

子供にも条件があり「18歳未満」または「20歳未満の障害年金等級1級又は2級」というもので、子供の人数によっても受け取る額が変わります(計算方法は後述)。

また亡くなった方が国民年金保険料を未納、滞納していた場合や亡くなった方が遺族の生計を維持していなかった場合も遺族基礎年金を受け取ることができません。

くっき~
くっき~

生計を維持」って?

「生計を維持されている」とは次のような状況です。

生計を維持:遺族側の目線

・同居していた
・仕送りを受けていた
・残された配偶者の年収が850万未満

「亡くなった方がいたからこそ生活が成り立っていた」という状況が上の項目で判断されます。

別居していても仕送りを受けていれば「生計を維持されている」となりますが、残された遺族が年収850万円以上あるなら「支給しなくても十分生活できるよね?」ということで、支給対象外となります。

くっき~
くっき~

日本は高所得者に厳しいな…

遺族厚生年金の条件

遺族厚生年金を受け取れる人と条件は次のようになっています。

受給資格

●受給対象者
・妻(年齢不問)
・子供(18歳または20歳未満)
・夫(55歳以上)
・父母(55歳以上)
・孫(18歳または20歳未満)
・祖父母(55歳以上)
●亡くなった方の主な条件
・国民年金保険料を未納、滞納していない
・生計を維持していた

遺族厚生年金は遺族基礎年金に比べて受給対象者の範囲が広くなり、子供がいなくても受給できるので条件は少しゆるくなっています。

くっき~
くっき~

この中の誰が受給できるの?

受給対象者には優先順位があり、その順番で優先的に受け取ることができます。

引用元:日本年金機構

厚生年金の場合は保険料が給料から天引きなので、未納という問題は起こりにくいですが、過去をさかのぼると滞納などが見つかる場合もあるので注意も必要です。

受け取れる額はいくら?

遺族年金の受給額は「家族構成」や亡くなった方の「収入状況」、また「夫」か「妻」のどちらが亡くなったかにもよって金額が異なります。

とりあえずざっくり知りたい方は早見表だけ見て、細かい計算は飛ばしてもらっても大丈夫です!

早見表

まずは「夫」が亡くなった場合から見ていきます。

くっき~
くっき~

画像は拡大できるで!

引用元:オリックス生命保険
シミュレーション

亡くなった方:夫
職業:会社員
子供:2人
平均標準報酬月額:35万円
毎月の支給額:約14.9万円

14.9万円は遺族が死ぬまで受給できるので、仮に10年でも約1,800万円弱を受け取ることができます。

くっき~
くっき~

思ってるよりも!?

ちなみに平均標準報酬月額とは基本給に各種手当(扶養手当や通勤手当など)を足して、4-6月分を平均したものです。

計算のイメージはこちらです。

引用元:2015年6月号 教職員のための共済フォーラム

次は妻が亡くなった場合を見ていきます。

引用元:オリックス生命保険
シミュレーション

亡くなった方:妻
職業:自営業
子供:2人
毎月の支給額:約10.5万円

くっき~
くっき~

夫の時と違わない?

遺族厚生年金を妻が受給する場合は「中高齢寡婦加算」というものが加算されます。

40歳以上65歳未満の子供のいない妻が対象で、遺族厚生年金だけは額が少ないことから加算することが認められています。

要するに、子供がいないために遺族基礎年金を受給できない妻が遺族厚生年金を受給する場合に支給されるというものです。

くっき~
くっき~

なるほどな!

厚生年金が無い分、いくらか少なくなりますがそれでも毎月10.5万円が支給されるので家計にとっては本当に救いになるお金ですよね。

遺族基礎年金の計算方法

遺族基礎年金の計算は簡単です!

国民年金の納付額は全国民共通で、もらえる遺族基礎年金の額も同じだからですね。

計算式

受給額=78万900円+子の加算額/年
子の加算:2人目までは各22万4,700円
子の加算:3人目以降は各7万4,900円

例えば18未満の子供が3人いる家庭で生計を維持していた夫が亡くなってしまった場合の受給額は…

受給額の計算例

基本:78万900円
子の加算:22万4,700円×2人分
子の加算:7万4,900円(3人目)
合計額:130万5,200円/年
毎月の支給額:約10.8万円

注意点として、制度改正によって今後金額は変更する場合があります。

この記事は2021年の制度を元にしています。

遺族厚生年金の計算方法

遺族厚生年金の計算はめちゃくちゃ複雑です。

計算式

受給額=(A+B)×3/4
A:平均標準報酬月額×0.007125×平成15年3月以前の加入月数
B:平均標準報酬額×0.005841×平成15年4月以降の加入月数

くっき~
くっき~

WHAT??

日本年金機構の年金ガイドから引用したものがこちらです。

引用元:日本年金機構 遺族年金ガイド

加入期間によって掛ける超細かい数字が違っているのは、計算の際に「賞与」を含むか含まないかがこの期間で変更されたためです。

違い

平均標準報酬月額:賞与を含まず計算
平均標準報酬額:賞与を含んで計算

くっき~
くっき~

こんな細かいのは今はムシ!

ただポイントだけはおさえておきましょう!

若いうちに亡くなってしまうと年金の加入期間が短くなり、受給額がかなり低くなってしまうのでその場合は25年間(300月)とみなして計算することができます。

仮に標準月額報酬が35万円、加入期間25年(300月)未満で亡くなってしまった場合の受給額は…

受給額の計算例

35万円×0.005481×300月=57万5,505円
57万5,505円×3/4=43万1,628円/年
月々:約3.6万円

本当にそうなってしまったらまずすべきことは「計算」ではなく、近くの年金事務所や街角の年金相談センターに必要書類を持って相談しにいきましょう!

計算方法まで解説しましたが、大切なのはだいたいどのくらい受け取れるかを知っておくことです!

いざという時は下のリンク先の「相談窓口」から手続きしましょう!

日本年金機構 → 遺族年金を請求する際の手続き

遺族年金を知った後は?

遺族年金をいくら受け取れるか知った後は「想定と準備」をしておきましょう!

総務省統計局が公表している2020年の「家計調査報告」では家庭の支出平均を次のように算出しています。

1月あたりの平均支出額

2人以上世帯(3人程度を想定):約27万円
ひとり親世帯:約19万円
引用元:総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2020年
引用元:総務省統計局 平成26年全国消費実態調査

仮に夫は会社員(平均標準報酬月額35万円)、妻は専業主婦、子供の18歳未満で夫が亡くなってしまった場合の遺族年金は「約13万円/月」です。

遺族年金以外にも所得控除などの税制優遇はありますが、遺族年金だけで生活するのは苦しいでしょう。

貯金だけ、生命保険だけというのもオススメしません。

あくまで一時的なものにすぎず、貯蓄が尽きたり給付金が無くなってしまえばそこから生活することができなくなってしまうからです。

なので今からでも専業主婦の方なら少しパートをして慣れておくことも良いですし、好きなことを副業に繋げてみるなんてのも良いかもしれません。

また一家の大黒柱の方なら「生命保険に入ってるから大丈夫」でなく、自分に何かあった時に残された家族が困らないようにこういったことをあらかじめ話し合っておくことが本当に大切なことなのではないでしょうか?

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は【遺族年金とはどんなものか、どれくらい受け取れるのか】についてお伝えさせて頂きました!

最後にポイントをまとめると…

  1. 遺族年金は2種類:遺族基礎年金と遺族厚生年金
  2. 年金加入状況、家族構成によって受給額が異なる
  3. 生命保険に入る前にまず「遺族年金」

遺族年金を含め、こういった公的な制度は知っていて絶対に損はありません。

保険料をたくさん払って安心するのではなく、知識をたくさん身に付けてお金の不安を無くしていきましょう!

以上、お役に立てれば幸いです!

最後まで読んで下さり、ありがとうございました!

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