こんにちは、くっき〜です!
この記事では
- 年金の繰下げ・繰上げ受給って何?
- 何歳から受給開始するべき?
- 年金で損をしたくない…
という方に向けて、分かりやすく解説します!
- 年金の繰下げ・繰上げ受給について!
- 何歳から受給開始するのが得か!
- 受給額が最多となるのは何歳か!
- 平均寿命から逆算も!
日本の制度では、年金の受給を開始する年齢を自分で決められるようになっています。
しかし、それによって支給される金額が変わり、それが生涯続くことになるので何歳から受給するかは慎重に決めたいところです。
そこでこの記事では、平均的な年金額を利用したいくつかの計算シミュレーションを行い、何歳から受給するのが良いかを見ていきます。
年金について知ることは、老後の不安を大きく解消することに繋がりますので、ぜひ参考になさって下さい!

よぉぉおし!いってみようっ!
繰下げ・繰上げ受給とは

繰下げとか繰上げって何のこと?
年金は「65歳から受け取れる」と思っている方も多いかもしれませんが、それはあくまでも原則の話です。
現制度では「60〜70歳(1年単位)」の範囲で選択でき、65歳より手前で受け取ることを「繰上げ受給」、65歳より後に受け取ることを「繰下げ受給」と言います。
受給時期を65歳からずらすと年金の受給額が変わり、繰上げの場合は1ヶ月につき0.5%減額(年間で▲6%)、繰下げの場合は1ヶ月につき0.7%増額(年間+8.4%)となります。

要するに受給額が減っても良いなら早くから受け取れますし、受け取るのが遅くても良いなら受給額がUPする仕組みになっているわけです。

この金額は生涯続くで!
今後(2022年4月から)は年金制度の改正が予定されており、繰上げ・繰下げ共に1つずつ変更があります。
- 繰上げ
- 減額率:0.5% → 0.4%
- 繰下げ
- 受給開始:70歳まで → 75歳まで
繰上げは減額率が減るので「良い内容」、繰下げも選択範囲が拡大したのでどちらかと言えば良い内容になります。

なんとなく分かったけど、結局いつから受け取るのが良いんだろう…
そこでいつから年金を受け取るのが良いのか、平均的な数字を使ってシミュレーションしていきます。
補足ですが、年金は年齢が来たら自動で支給されるわけではなく、手続きしなければ受け取ることは出来ません。
65歳より手前で手続きすれば「繰上げ受給」、65歳より後に手続きすれば「繰下げ受給」となります。
損得のライン
年金の平均的な受給額は約20万円です(国民年金と厚生年金の合計)。
国民年金とは国民全員が加入している年金、厚生年金は公務員や会社員の方が加入している年金のことです。
年金の基礎知識、受給額についてはコチラの記事で解説しています。
まずは現制度での比較をしていきます。
- 60歳から受給:14万円(▲30%)
- 65歳から受給:20万円(平均)
- 70歳から受給:28.4万円(+42%)
繰上げ分岐点76歳8ヶ月、繰下げ分岐点81歳10ヶ月
60歳、65歳、70歳から年金受給を開始した場合の受給額の累計をグラフにしたものがこちらです。


青丸のあたりで60歳と65歳の線がクロス、赤丸のあたりで65歳と70歳の線がクロスしているのが分かりますね。
- 青丸:76歳8ヵ月時点
- 赤丸:81歳10ヵ月時点


言葉は悪いけど分かりやすく言うで!
76歳8ヶ月よりも前に死ぬなら65歳から受け取るより、60歳から受け取るほうが受給額が多い。
80歳10ヶ月よりも長生きするなら65歳から受け取るより、70歳から受け取るほうが受給額は多い。
ということが言えます。
続いて制度改正後(繰上げ0.4%の減額、繰下げ75歳)も見てみましょう。
制度改正後は繰上げ分岐点80歳10ヶ月、繰下げ分岐点86歳10ヶ月
減額率の変更により受給額は次のように変わります。
- 60歳から受給(0.5%):14万円/月
- 60歳から受給(0.4%):15.2万円/月
- 70歳から受給:28.4万円
- 75歳から受給:36.8万円
減額率が変更されたことで、繰上げ受給した際の受給額はUPしています。
制度改正後の分岐点は…
80歳10ヶ月よりも前に死ぬなら65歳から受け取るより、60歳から受け取るほうが受給額が多い。
86歳10ヶ月よりも長生きするなら65歳から受け取るより、75歳から受け取るほうが受給額が多い。
年齢別受給額と平均寿命
次は年齢別で受給額が1番多くなるパターンを計算します。
例として平均寿命から逆算した、受給額の累計が最も多くなる受給開始年齢を紹介します。
次の表は1年経過時点で、受給額が最も多くなる受給開始年齢・2番目に多くなる受給開始年齢を計算したものです。
年齢 | 1番多くなる受給開始年齢 | 2番目に多くなる受給開始年齢 |
---|---|---|
~71歳 | 60歳 | 61歳 |
72歳 | 61歳 | 60歳 |
73歳 | 61歳 | 62歳 |
74歳 | 62歳 | 61歳 |
75歳 | 62歳 | 63歳 |
76歳 | 63歳 | 62歳 |
77歳 | 63歳 | 64歳 |
78歳 | 64歳 | 66歳 |
79歳 | 67歳 | 66歳 |
80歳 | 67歳 | 68歳 |
81歳 | 68歳 | 66歳 |
82歳 | 68歳 | 69歳 |
83歳 | 69歳 | 68歳 |
84歳 | 69歳 | 70歳 |
85歳 | 70歳 | 69歳 |
86歳 | 70歳 | 70歳 |
87歳 | 71歳 | 72歳 |
88歳 | 71歳 | 71歳 |
89歳 | 72歳 | 73歳 |
90歳 | 72歳 | 72歳 |
91歳 | 73歳 | 74歳 |
92歳 | 73歳 | 73歳 |
93歳 | 74歳 | 75歳 |
94歳 | 74歳 | 75歳 |
95歳~ | 75歳 | 74歳 |
男性の最適な受給開始年齢は68歳
2022年1月時点で、日本人男性の平均寿命は「81.64歳」です。
キリよく82歳と考えると年金の受給額の合計が最も多くなるのは68歳からの繰下げ受給した場合です。
68歳から繰下げ受給すると、毎月の年金額は「約25万円」です。
生命保険文化センターによると夫婦2人の老後の最低日常生活費は22.1万円ですので、1人の年金で25万円あれば年金だけでも生活に困るということは無さそうです。


女性の最適な受給開始年齢は71歳
女性の平均寿命は男性よりも長く、2022年1月時点で「87.74歳」です。
同じようにキリよく88歳と考えると年金の受給額の合計が最も多くなるのは71歳から繰下げ受給した場合です。
71歳から繰下げ受給すると、毎月の年金額は「約30万円」です。
30万円あれば生活費は十分ありますので、旅行やレジャーなど趣味にも多くあてられますね。
ただ当然71歳までは年金収入が無いので、貯蓄や働いて収入を得るなど年金以外の手段で生活費を手に入れる必要があります。
年金の税金について
年金の税金についても知っておかなければなりません。
現役でも老後でも収入があれば税金は発生します。


老後でも税金払うんか…
税金を計算する際には「控除」という免除額のようなものがあるので、収入全てに課税されるわけではありませんが、先程計算した受給額と実際に受け取る手取り額は異なります。
詳しい計算方法は割愛しますが、月20万円の年金(年240万円)でシミュレーションしてみると手取りは次のようになります。


ざっくりですが、平均的に見て年金収入の約12〜13%が税金と保険料の支払い分になると考えておきましょう。


年金収入以外にも所得があれば、変わってくるで!
損得より大事なこと
ここまでいくつか計算してきましたが、本当に大切なことは「年金を多く受け取ること」ではなく、「選択できる状況にあるか」ということです。


支払った分は回収しないとっ!
気持ちは分かりますが、仮に元を取る前に死んでしまっても遺族の方にはしっかり支給されますよ。
- 貯蓄が十分にある
- まだまだ働ける健康的な身体がある
- 会社に頼らず稼げるスキルがある
- 年金以外の資産所得(不動産の賃貸収入、株式の配当金など)がある
このような状況なら年金の受給開始をいつにするか、家庭の状況などに合わせて好きに選ぶことができます。
例えば、夫婦の家庭なら「夫の年金は65歳から受け取って、妻の年金は70歳から繰下げ受給しよう」など年金をカスタマイズすることが可能です。
しかし仮に60歳時点で「年金を受け取らないと生活ができない…」という状況なら、生涯減額した年金での生活を迫られます。


選択の余地なし…
金額、選択できない状況、ともに豊かな人生とは言えませんね。
また繰上げ・繰下げにはカスタマイズの差もあります。
- 繰下げ受給
- 国民年金だけ繰下げ → OK
- 厚生年金だけ繰下げ → OK
- 国民年金と厚生年金を繰下げ → OK
- 繰上げ受給
- 国民年金と厚生年金を繰上げ
- どちらか一方を繰上げ → NG
老後までに準備するほど選択の幅が広がります。


準備するほど老後の不安も減っていくで!
学んで実行して、今からしっかり備えていきましょう!
ちなみに老後資金を貯めるのにはiDeCoがオススメですよ!
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は【年金の繰上げ・繰下げ受給】についてはお伝えさせて頂きました。
最後にこの記事をまとめると…
- 繰上げ受給は61~64歳で、減額された年金を受給すること!
- 繰下げ受給は66~75歳で、増額された年金を受給すること!
- 平均寿命の逆算では男性は68歳から受給開始、女性は71歳から受給開始すると受給額が最も多い!
- 受給額の多さよりも選択できる状況であることが重要!
老後の生活を不安に感じている方はとても多いのに、老後のことを知ろうと実際に行動している方は少ないです。
「老後にはいくら必要で、自分の年金はいくら受け取れるのか」これを分かるだけでも老後の不安は大きく解消できます。
足りなければ今から準備すれば良いのです。
これから備えるという方は、家計を見直して貯蓄しつつ、iDeCoなどを利用して資産形成することから始めてみてはどうでしょうか?


ぜひ行動してみてな!
以上、お役に立てれば幸いです!
最後まで読んで下さり、ありがとうございました!
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