こんにちは、くっき〜です!
この記事では
- 格付け会社って何?
- どんな時に役に立つの?
- 信憑性はあるの?
という方に向けて、分かりやすく解説します!

先に結論言うでっ!
- 格付会社は企業や金融商品のランク付けをする民間会社。
- 格付けは「借金返済能力&信用度」を見るための指標の1つ。
- 投資判断の1つとして役に立つ!
債券、投資信託、ETFなどの投資商品を漁っていると、たまに見かけるのが「格付け」の文字です。

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ここで疑問に思うのが「誰が格付けしてるの?証券会社の人?販売会社の人?」「どれくらい信憑性があるの?」ということです。
この記事ではこれらの疑問にお答えすべく、分かりやすく解説していますので、ぜひ参考になさって下さい!

それでは〜いってみようっ!
格付け会社とは

格付け会社って何?
そもそも格付けとは「国や企業の借金返済能力を分かりやすく英語などの記号でランク付けすること」を言います。
格付け | 定義 |
---|---|
AAA | 信用力は最も高く、多くの優れた要素がある。 |
AA | 信用力は極めて高く、優れた要素がある。 |
A | 信用力は高く、部分的に優れた要素がある。 |
BBB | 信用力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。 |
BB | 信用力は当面問題ないが、将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある。 |
B | 信用力に問題があり、絶えず注意すべき要素がある。 |
CCC | 信用力に重大な問題があり、金融債務が不履行に陥る懸念が強い。 |
CC | 発行体のすべての金融債務が不履行に陥る懸念が強い。 |
D | 発行体のすべての金融債務が不履行に陥っているとR&Iが判断する格付。 |
「AAA」に近づくほど安全で返済能力が高い(信用度が高い)、「D」に近づくほど安全性が低く返済能力が低い(信用度が低い)とされています。

分かりやすく人を例にして考えてみましょう!
- 太郎くん
- 借金はあるけど年間の稼ぎはその10倍ある!
- → まぁAランクにしとこか
- 次郎くん
- 借金は少ないけど毎月の稼ぎに大きな波がある…
- → うーん、Cランクかな
- 三郎くん
- 借金が無く、稼ぎも安定してて貯金も十分!
- → よし、 AAAランクや!
こんな感じで国や企業の返済能力を評価して公表するのが「格付け会社」です。
世界に格付け会社はいくつも存在しますが、日本の金融庁に登録されているのは次の5社です。
参照元:金融庁 信用格付業者一覧
上記以外の格付会社を無登録格付業者と言い、格付の信用性について良い悪いは分かりませんが、金融庁の監督外であることは知っておきましょう!
どんな時に役に立つ?

格付けは分かったけど、どんな時に役に立つの?
投資者目線と借金を返済する発行体目線で考えてみましょう!
投資者目線
そもそも国や企業の借金とは債券や借入金(銀行の融資など)を指します。
- 国や企業などの発行体が資金調達のために発行する証書。
- 国が発行 → 国債
- 企業が発行 → 社債
債券の基本的なことついてはコチラでも解説しています!
例えばある社債に投資する場合、あらかじめ決められた期限(5年間など)まで投資先の企業が債務不履行や倒産(デフォルト)をしていなければ利息を受け取ることができます。


じゃあ信用度の高いAAAの企業を選べば良いんやな!
ただし、信用度の高い企業ほど受け取れる利息(利回り)は少なくなってしまうのです。


つまり投資家は受け取る利息と企業の信用度を表す格付け(リターンとリスク)をチェックして、投資するかどうかを検討することができます。
株式投資でも企業の返済能力の高さは判断材料の1つになるのではないでしょうか?
発行体目線
なぜ格付けが良いほど金利が低くなるのかは、発行体目線になると分かりやすいです。
企業の気持ちとしては…
- 資金は集めたい
- でも利息はあまり払いたくない
とこうなりますよね?
信用度が高い(AAAに近いランク)と格付けされれば、金利を低くしても資金調達ができます。
利息の支払いは企業からすれば費用ですから、信用度が高いほどコストを抑えられるというわけですね。
企業にもこのようなメリットがあるため、企業側から格付会社に格付けを依頼することもあります。
AAAランクを紹介!
では信用度が最も高いAAAランクがどんなものか、国債や企業を見てみましょう!
国債(ソブリン債)
国債の中で最も格付けが高いものを「ソブリン債」と言います。
世界各国のソブリン債がその国の最高ランクの国債になりますので、国の信用度とも言えますね。
スタンダード&プアーズ、ムーディーズによる格付けでAAAランクを付与されているのは次の国債です。
国 | S&P | Moody's |
---|---|---|
オーストラリア | AAA | Aaa |
カナダ | AAA | Aaa |
デンマーク | AAA | Aaa |
ドイツ | AAA | Aaa |
ルクセンブルク | AAA | Aaa |
オランダ | AAA | Aaa |
ノルウェー | AAA | Aaa |
シンガポール | AAA | Aaa |
スウェーデン | AAA | Aaa |
スイス | AAA | Aaa |
日本 | A+ | A1 |
米国 | AA+ | Aaa |
参考までに日本と米国も載せました。
元々S&Pでも米国債はAAAでしたが、2011年に年金や医療費の膨張による財政悪化で1段階格下げされています。


なんでも米国が1番じゃないんやな…
日本企業
日本企業は投資格付情報センター(R&I)と日本格付研究所(JCR)で見てみましょう!
企業名 | R&I | JCR |
---|---|---|
トヨタ自動車 | AAA | AAA |
トヨタファイナンス | AAA | AAA |
NTTファイナンス | AA+ | AAA |
東京海上日動火災保険 | AA+ | AAA |
東海旅客鉄道 | AA | AAA |
何千と企業がある中で両機関ともAAAランクを付与しているのは「トヨタ」のみです。


やっぱりすごいんやなぁ!
どこかの国や企業に投資する前に格付けによる信用度を見るのも良いかもしれません。
どれくらい信用できる?注意点は?
ここで重要なのが「格付けがどのくらい信用できるか」という点ですね。
格付情報投資センターと日本格付研究所が公表しているデフォルト率(債務不履行、倒産)のデータがありますので、比較してみましょう。
デフォルト率(5年) | R&I | JCR |
---|---|---|
AAA | 0% | 0% |
AA | 0.06% | 0.07% |
A | 0.44% | 0.4% |
BBB | 1.02% | 2.47% |
BB | - | 14.17% |
B | - | 52.5% |
CCC以下 | - | 61.54% |
20年以上を対象にしており、その内AAAランクの企業が5年という期間でデフォルトしたのは0%です。


まぁ、AAAランクの企業自体が少ないからな…
ランクが下がるに連れてデフォルト率も上昇しているので、格付けの信憑性はある程度高いと言えますね。


格付け最強やんっ!
ただ、格付会社の格付けが高いからと言って信用しすぎるのも危険です。
2007年から2010年の世界金融危機(2008年はリーマンショックの年)において、スタンダード&プアーズやムーディーズによってAAAの格付けがされていたサブプライムローンがたった数日間でBB以下に一気に格下げされたのです。


当然市場は大混乱に陥り、リーマンショックを引き起こした1つの要因となりました。


じゃあ結局信用できんってことやん…
スタンダード&プアーズもムーディーズもとんでもない額の賠償金を払う結果となったので、普通に考えれば今後はそのようなことは起きにくいでしょう。
しかし投資は全て自己責任、損失が出ても誰も助けてはくれません。
格付けを参考にするのは良いことですが、投資の大原則「この先何が起こるかは誰にも分からない」ということだけは忘れないようにしましょうね!
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は【格付会社や注意点】についてお伝えさせて頂きました!
最後にこの記事をまとめると…
- 格付会社は独自の基準で格付けを行う!
- デフォルトリスクが大きいほど金利が良い!
- みんなが注目してるだけに大きな格付けの変化は市場を混乱させる可能性がある!
信用しすぎず、しかし任せるところはプロに任せる、自分の投資や運用方法と良い距離感を持ちながらうまく利用していきましょう!
以上、お役に立てれば幸いです!
最後まで読んで下さり、ありがとうございました!
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