こんにちは、くっき〜です!
この記事では
- 市場再編ってどういうこと?
- 株価にも影響がある?
- 注意することはある?
という方に向けて、分かりやすく解説します!

先に結論言うでっ!
- プライム市場の価値が上昇!
- TOPIXの価値が上昇!
- 投資するなら企業の時価総額250憶円以上かをチェック!
2022年4月4日より東証の市場がプライム、スタンダード、グロースの3市場に再編されることが決まっています。
しかし、過去にあまり例が無いため「結局何が変わるの?」「自分にも影響する?」と気にはなりながらも、どう行動していいか分からない方も多いのではないでしょうか?
この記事では市場再編の内容、それによる影響、注意すべき点について解説しますので、ぜひ参考になさって下さい!

さっそく、いってみようっ!
市場再編の背景と狙い
2022年4月から東京証券取引所の市場は次のように変わります。

- 廃止
- 東証1部
- 東証2部
- マザーズ
- JASDAQ(スタンダード)
- JASDAQ(グロース)
- 新市場
- プライム
- スタンダード
- グロース
このような制度改正系の話は、なぜ変わるのかという"背景"を知るとより理解が深まります。

まずは簡単に背景から確認していくで!
背景
まずはこちらのグラフをご覧下さい。
直近5年間の米国と日本の代表的な株価指数を比較したものです。


やっぱり米国強いなー
それともう1つ言えるのは「日本株の人気が弱い!!」です。
そこで頭の良い超専門的な人たちが、この問題を解決すべく数年かけて次の課題を見つけました!
- 市場の区別がつきにくい
- 東証1部の価値が低い
例えば東証1部と東証2部の違いは何でしょうか?

んー、会社の規模とか上場の条件の厳しさとか?

うん!大体そんな感じ!
ではマザーズとJASDAQの違いは何でしょう…

えーっと、あのー、そのー
日本だけでなく、世界中の投資家が同じ状況になってしまっているのです。
市場の区別がつかないと「比較的安全な銘柄は?」「成長に期待できる銘柄は?」というのが、分かりにくく投資家としては手が出しにくい状況です。

これが人気が出ない理由の1つや!
もう1つが東証1部の価値が低くなっているということです。

価値??
その大きな原因となっているのが1部上場への「緩和措置」です。
例えば未上場の企業が東証1部に上場するための条件の1つに「時価総額250億円以上」というものがあります。
しかし、既に東証2部やマザーズ市場に上場している企業が東証1部に上場する条件は「時価総額40億円」と約6分の1まで緩和されるのです。

そんなにっ!?
こうなると、小さな企業でもトヨタ自動車のようなドデカ企業(時価総額約34兆円)と同じ東証1部の称号を比較的簡単に手に入れることができるので、東証1部の価値が下がってしまうと考えられます。
誰でも入れる東京大学に魅力が無いのと同じですね。
実際に東証1部に上場する企業は、年々増加傾向、現在は2,000社を超えています。

東証1部上場の全企業の株価を対象としたTOPIXの魅力も同時に下がり、株式の他、連動する投資信託のファンドなどにもお金が集まりにくくなっているのです。
狙い
これらの課題を解決するために考えられたのが「市場の再編」です。
主な内容は次の2つです。
- 市場の数を減らしコンセプトをつけて分かりやすくする!
- 上場&維持の条件を見直して、市場ごとの価値を明確にする!
2022年4月4日から変更した内容で、実際に運用していく流れとなっています。
世界の投資家マネーを日本に呼び込み、国の成長に繋げること、また、プライム市場の条件はざっと見て厳しくなっているため、上場・維持するのは今まで以上に企業努力が求められます。
企業の更なる成長が期待できるとの狙いもあるのかもしれません。
結局何がどう変わる?
では何がどう変わるのか具体的に見ていきましょう!
コンセプト
まずは誰にでも分かるようなコンセプトからです。

分かりやすいが大事や!
- プライム市場
- 大型株
- ローリスク、ローリターン
- スタンダード市場
- 中型株
- ミドルリスク、ミドルリターン
- グロース市場
- 小型株
- ハイリスク、ハイリターン

分かりやすいっ!
大きな土台のある成熟企業に投資をしたいならプライム市場から、株価が10倍になるような成長企業に投資したいならグロース市場からというように、3つの市場は分かりやすいコンセプトとなりましたね。
上場基準の変更
上場基準がどのような見直されたか見ていきましょう。
市場自体が変更され、明確な比較はできませんのでここでは次の近しい市場同士で比較してみます。
- 東証1部 ⇔ プライム
- 東証2部 ⇔ スタンダード
- マザーズ、JASDAQ ⇔ グロース
比較項目によく出てくる「流通株式」とは、市場に出回っている株式のことです。
企業が保有する自己株式などは市場に出回らない(一般の投資家が取引できない)と考えるものです。


じゃ、1つずつ見ていくで!
【東証1部 ⇔ プライム】
東証1部 | プライム | |
---|---|---|
株主数 | 2,200人 | 800人以上 |
流通株式数 | 2万単位以上 | 2万単位以上 |
流通株式時価総額 | ー | 100億円以上 |
流通株式比率 | 35%以上 | 35%以上 |
時価総額 | 250億円以上 | 250億円 |
収益 | 2年間の経常利益5億円以上 | 2年間の経常利益25億円以上 |
1つずつ項目を見てみるとプライム市場は東証1部市場に比べて……
- 株主数 → 減少(緩)
- 流通株式数 → 同じ
- 流通株式時価総額 → 新設(厳)
- 流通株式比率 → 同じ
- 時価総額 → 同じ
- 収益条件 → 増加(厳)
要するに、必要な株主の人数は減りましたが、株式の価値・収益条件は厳しくなったので、利益が出ていないとプライム市場からはふるい落とされてしまうというわけです。

これによりプライム市場の価値を向上しようとしてるんやな!
【東証2部 ⇔ スタンダード】
東証2部 | スタンダード | |
---|---|---|
株主数 | 800人 | 400人以上 |
流通株式数 | 4千単位以上 | 2千単位以上 |
流通株式時価総額 | 10億円以上 | 10億円以上 |
流通株式比率 | 30%以上 | 25%以上 |
時価総額 | 20億円以上 | ー |
収益 | 2年間の経常利益5億円以上 | 1年間の経常利益1億円以上 |
1つずつ項目を見てみるとスタンダード市場は東証2部市場に比べて…
- 株主数 → 減少(緩)
- 流通株式数 → 減少(緩)
- 流通株式時価総額 → 同じ
- 流通株式比率 → 減少(緩)
- 時価総額 → 無し(緩)
- 収益条件 → 減少(緩)
比較すると流通株式時価総額以外の項目は条件が全て緩くなっています。
プライム市場の基準が厳しくなっているため、スタンダード市場の窓口は広くなっているようです。
【マザーズ、JASDAQ ⇔ グロース】
マザーズ | JASDAQ | グロース | |
---|---|---|---|
株主数 | 200人 | 200人 | 150人以上 |
流通株式数 | 2千単位以上 | ー | 1千単位以上 |
流通株式時価総額 | 5億円以上 | ー | 5億円以上 |
流通株式比率 | 25%以上 | ー | 25%以上 |
時価総額 | 10億円以上 | 5億円以上 | ー |
収益 | 1年間の経常利益1億円以上 | ー | ー |
1つずつ項目を見てみるとグロース市場はマザーズ、JASDAQ市場に比べて……
- 株主数 → 減少(緩)
- 流通株式数 → 減少(緩)
- 流通株式時価総額 → 同じ
- 流通株式比率 → 同じ
- 時価総額 → 無し(緩)
- 収益条件 → 現象(緩)
こちらも全体的には条件が一定、または緩くなっていて入口が広くなっているように感じます。
結局今回の市場再編で行われることは…
- プライム市場の価値は上昇↑↑
- それ以外の市場の価値は低下↓↓
とこういうことが言えます。

なんとなく全体像が掴めてきたな!
株価、投資家への影響と注目すべき点
では最後に、市場再編でどんな影響があるのか、注意点も含めて考えてみましょう!
特に注目すべき点は次の2点です。
- プライム市場の基準を満たしているか
- TOPIXの構成銘柄から除外されないか
プライム市場の基準を満たしているか
ここまで解説してきたようにプライム市場の価値は上がり、それ以外の市場の価値は下がると考えられます。
まさにプライム市場かそれ以外か…


こんな感じ!
それがみんな分かっているため、現状東証1部に上場している8割から9割の企業がプライム市場に移行を希望しています。

今までとあんま変わらんやんっ
ただ現実は、2021年7月時点では東証1部上場企業のうち、664社が基準を満たしていない状況でした。

現在はそのような企業でも計画書を出すことで移行が認められる「経過措置」が取られていますが、計画通りにならなければプライム市場を維持できません。
その際に株価が下がるリスクは大いにありますので、投資している企業がある場合はプライム基準を満たしているかチェックしましょう!
TOPIXの構成銘柄から除外されないか
もう1つ注意しておきたいのが「TOPIX」です。
TOPIXは日経平均株価に並ぶ日本の代表的な株価指数のことで、市場再編後はTOPIX構成銘柄の入替が行われます。

現状は東証1部上場企業の全部が対象や!
株価指数について詳しく知りたい方はコチラの記事をどうぞ!
再編後、すぐに入れ替えられるわけではありませんが、時価総額100億円未満の企業は2025年1月までに段階的に除外されることになっています。
投資信託ファンドなど、TOPIX指数に連動する様に設計された商品も多く、人気もあります。
このTOPIX銘柄から除外されれば、企業にとって大きなマイナス(株式による資金調達が困難になる)なのでこの点も要注意です。
このような2つのリスクを避けたいなら、投資対象銘柄の時価総額が250億円以上かどうかをまず見てみるのが良いのではないでしょうか!
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は【東証の市場再編による影響と注意点】についてお伝えさせて頂きました!
最後にこの記事をまとめると…
- 市場再編の狙いはプライム市場に価値を見出し、投資家マネーを呼び込むこと!
- プライム及びTOPIX基準に満たない企業の株価には下落リスクがある!
特に計画書でプライム市場に移行する企業については、事業状況がうまくいっているかしっかりチェックするようにしましょう。


この機会にポートフォリオを見直すのもありやで!
以上、お役に立てれば幸いです!
最後まで読んで下さり、ありがとうございました!
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